例えば、3行の台詞があるとします。そうすると、たいていの役者さんは3行あるという前提で表現を作ろうとします。でもリアルの世界では、話し出した時に、3行だけ言おうと思って話す人はいません。相手の反応を見て、分からないようであれば、付け足すという話し方をしているのです。
だから当然ですが、自分が何行で話終わるかは相手次第でもあるです(笑)
理解の良い人であれば、1行かもしれませんね(笑)
フラストレーションが溜まっていればこれでもかって8時間ぶっ通しで話す怖れだってあるのです(笑)
『え?それって私のことじゃないかって』
別にフラストレーションが溜まっている訳ではありませんが、講座では教えきれない膨大な量があると思っているのでまだまだ喋り切れていないと思っています。だからブログという形でも発信しているのだと思います(笑) でも、以降長話は気を付けます(涙)
話は元に戻しますが(笑) これは何も話し手だけの問題でもありません。
聞き手も然りです。相手の台詞が3行あると思って聞いていませんか?これが、
『先の分かった芝居の仕方』
というわけなのです。こういう芝居をしていると、お客さんに展開が読まれやすくなって、『次そう言うんでしょ。やっぱりね。…そう答えるよね。もうあなたの言わんとすることは分かった分かった。もう分かったから最後までいわなくても…台詞になってるから最後まで言わなきゃいけないんだろうけど…わざとらしいな~』と無意識に観られているんですよ(笑)
『え?』
『お前のようにそんな深堀りした目でお客さんは観ていないって?』
いいえ、そんなことはありません。お客さんはもっとシビアに観ていますよ。いったん、ダメだと思ったら。もう観ないですからね(笑) リモコンがあったらすぐにチャンネル替えられますよ(笑) 上記のように付き合ってくれているだけでも大変有り難い親切なお客さんです。だから、私たちは胡坐をかいてはいけません(笑)
お金をいただく以上はプロとかアマチュアなんて関係ありません。アマチュアだからやりたいようにやるんだというならお金とるなというのが普通の世界ですからね(笑)
文化や芸術を大切にと謳うのであれば、まず自分たちの技術を磨くことの方が絶対に先決です。誰だって、不味い料理屋さんだと分かったら。次は行きたくないのが人情です(笑)だから、次はないんですよ我々には。とこれくらい思っててちょうど良いのではないかと密かに思っています(笑)口にはしません(笑)
今回は表題を最後に回し大変回りくどいブログの書き方だなお感じなられたかもしれませんね(笑) どうしてこのような構成にしたかというと、答えだけ知ろうとしても技術は習得できないので、実際に上からの考えを踏襲して実践していただけたらという想いで回りくどく書きました。技術職というのはどうやら最短距離ではいけないようになっているようです。
また行けたとししても、その技術に価値があるとは思えません。それだけ、俳優の技術には価値があると思っております。俳優は食べていけないというのは、俳優に価値を見出していない方の台詞です。俳優には価値があるんだと思えば、価値ある人に誰もがなるものと信じています。そういう俳優を私たちは応援したい。また俳優だけではなく、自分たちには価値があるということをこれからも応援したいです。
自分に価値がないなんて言わないで。
「言ってない?」
その行動が言ってるようなものだよということ結構あるんですよ。だから、そうならないように出来るだけポジティブで素敵な方といて下さい。もちろん私たちのところでも大歓迎です。素敵かどうかは別として(笑)
みんな自分のことが大好きで楽しくやってます(笑)
最後までご覧くださいましてありがとうございました。
さいとうつかさ
劇団ブルア 代表
劇団道化座に13年間所属し、日本各地、海外公演に数多く出演。道化座退団後はフリーで演出・俳優活動を行う。「社会に寄り添う演劇」を掲げ、2019年に劇団ブルアを設立。同劇団代表を務める。現在の演劇活動として、演出業、俳優業だけではなく、関西各地で演劇のワークショップで演技指導も行う。出演回数は400ステージを超え、実践的な演技指導が持ち味。またスタニスラフスキーシステムを独自にアレンジしたブルアメゾッドを作り、「身体動作から感情を誘発させる」演技術を展開し、リアリティーのある演技を追究。「役の人物を介して自分を表現する」「自己探求」などを念頭に演技向上を図り、ありのままの魅力的な自分で勝負する独特の演技コンセプトが好評を得ております。