全部台詞は重要だと考えると、しんどく感じますよね(笑)
しかし、ここは重要だなここも重要だなと一つずつ取り組んでいけば、それほどしんどくは考えないはず。
目の前のことだけを考え、一つ一つ熟していけば、ふと立ち止まって後ろを振り返った時に、
ここまで登ってきたのか
と驚くものです。
この時、自分の出来る事をする。自分の出来そうなことをするを徹底していると、いつの間にか上がっていくものなのです。
そもそもの話をしますが、
演技の道は果てしないものです。
10年経とうが20年経とうが完璧なものなんて絶対にありえません。
こだわると、段々と完璧に近づきそうに思えるのですが、
芸歴を重ねると、見る目も肥えてもっともっと素晴らしい演技を追究していくものです。
演技の追究がなされていないと、いつまでも課題は同じで進展はありません。
しかし少しずつ少しずつこだわりを持って課題を作り熟せば、
自分からではなく、周りから見る目が変わってくるようになってきます。
自分はただ、毎回毎回自分の拘った課題をこなし、
その行動を労うのです。
私の労い方はこうです。
ここまで考えてこだわって動いている人はいないだろうからよくやった
変化することに対して喜ぶのではなく、他の人がしないところまで考えて動けたことが凄いことなんだと、こだわって行動した自分に喜びを見出すのです。
最初は「何でそんなことしてるの?」と
周りから疑問を持たれることが殆どでした。
そんなことやってもお客さんには分からないよ。
そんな細かいところまでしなくても…
演技の繊細さを求めていた時期は特に周りから言われました。
しかし、今の演技指導は、そのこだわりから得た実践で裏付けられたものをお教えさせて頂いてます。
つまり、当時皆さんから「そんなことしても意味がない」と言われていた練習が全てにおいて今生かされているのです。
以前、そんなことをしても意味がないと言われていた演技方法をお教えしているのです。
周りの意見に左右されず、自分の思う通りにすること。
自分が良いと思えばそれで良い
そういう、言葉を使う習慣を身につけて
自分を信じる行動につなげてみませんか。
自分を信用できないから、何をやっても続かないということなのです。
自分を変えようとしない。今の自分で良いと信じて今の自分に満足していれば、物事は必ず続きます。
最後までご覧いただきありがとうございました。
さいとうつかさ
劇団ブルア 代表
劇団道化座に13年間所属し、日本各地、海外公演に数多く出演。道化座退団後はフリーで演出・俳優活動を行う。「社会に寄り添う演劇」を掲げ、2019年に劇団ブルアを設立。同劇団代表を務める。現在の演劇活動として、演出業、俳優業だけではなく、関西各地で演劇のワークショップで演技指導も行う。出演回数は400ステージを超え、実践的な演技指導が持ち味。またスタニスラフスキーシステムを独自にアレンジしたブルアメゾッドを作り、「身体動作から感情を誘発させる」演技術を展開し、リアリティーのある演技を追究。「役の人物を介して自分を表現する」「自己探求」などを念頭に演技向上を図り、ありのままの魅力的な自分で勝負する独特の演技コンセプトが好評を得ております。