失礼ながら、私は、今までお芝居をしている人と会ってきた中で、こういう人が多いなと思うことがありました。

それは、

芝居を好きでやってるのに楽しんでいない人

……何のためにしてるの?(笑)

そういう人が結構多いように思えたのです。

言い方を変えれば、

やらされてる感満載なのです(笑)

やらされるのって、本当に面白くないのですよね(笑)

演出にこうしてああしてって言われたら、誰だって嫌な気持ちになりますよね(笑)

演出が偉そうに言うもんなら、それこそ尚更ですよね(笑)

お前がやってみろ!!って言いたくもなります(笑)

こういう環境下で芝居をすると鬱憤が溜まるものですよ。普通は。

でも、演劇している人は真面目な人が多いので、演出の言うことを守らなきゃいけないとなって、それがいつの間にか義務になって、段々と楽しくなくなっているんですよね。

こういう演出家の下では、優等生な劇団員は育つかもしれませんが、想像性は間違いなく失われ、考える役者た育たなくなるのです。

これでは本末転倒で、演出の言うとおりに動くだけの俳優であるならば、まだ台本を読んだ方がまだましで、面白いのです。わざわざ、公演にしてやる必要もないのです。

どうしてかというと、お芝居は想像できるもの方が圧倒的に面白いからです。自分はこうしてみたいと思っても、演出がダメと言われれば、そこで想像性は失われます。

演出の求めるものを想像するとは言えますが、それは演出の求めるものに共感できた場合のみ有効なのです。何故なら、人から借りてきたものはなかなか自分のものにはならないからです。借りた言葉で説得は出来ないのと同じで、心に響かないのです。共感をして「自分がこうしてみたい」となった時に、初めて自分の色が出るのです。そして、その一人一人の個性が噴出している芝居の方が心に響き圧倒的に面白くなるわけです。

演出の方が面白いんだと共感できずにいれば、何がこれ面白いんだろ?ってなって、云われるままにするだけとなり、想像性はなくなります。

そしてこれが一番最も重要なのです。それは…

一緒に作っているという感覚がないから面白くなくなるのです

演出の言うとおりに聞かないといけないと思っているから面白くなくなるのです。

面白くしたいのであれば、演出にも負けないアイデアを出して戦う方が面白いのです。

こうして日々演出と戦っている俳優が、どれだけいるのでしょうか……それが今の演劇を表しているようにも思います。

ですから、俳優の地位向上を謳っている私としては、ここをぜひ改善したい‼

面白くなくしているのは、俳優側の問題でもあるということを。

ただ、ここでも、実は言えることがあるんです。それは、

お前はどうしたいんだ?

と。

この時に、もしあなたにその答えがないのであれば、

あなたは「自由」ではありません。

自由というのはそういうものだと思います。自分が選んでいるということです。本当は私たちに自由はありません。必ず何かに縛られています。しかし、考え方でどう感じるかは別です。

お金がないとか時間がないとか言っている人は永遠にその「自由」は得られません。

もしそんなことを少しでも思っているのであれば、結局、何かを理由にして自分を動けなくしていることにいち早く気がついて欲しいのです。

そうすれば「自由」を感じます。

自由とはそういうものだと思います。本当は、自由という言葉は、制約があるから生まれる言葉であって、制約の概念を外せば、そもそもない言葉なのです。この自由という言葉は実は気をつけなければいけない言葉でもあるのです。

ただ、周りから見たら、不自由に見えても自分が当然だと思えば、それは「自由」です。

反対に、周りから見たら「自由」に見えても、「不自由」に生きている人は意外に多いのかもしれませんね。

最後までご覧くださいましてありがとうございます。

劇団道化座に13年間所属し、日本各地、海外公演に数多く出演。道化座退団後はフリーで演出・俳優活動を行う。「社会に寄り添う演劇」を掲げ、2019年に劇団ブルアを設立。同劇団代表を務める。現在の演劇活動として、演出業、俳優業だけではなく、関西各地で演劇のワークショップで演技指導も行う。出演回数は400ステージを超え、実践的な演技指導が持ち味。またスタニスラフスキーシステムを独自にアレンジしたブルアメゾッドを作り、「身体動作から感情を誘発させる」演技術を展開し、リアリティーのある演技を追究。「役の人物を介して自分を表現する」「自己探求」などを念頭に演技向上を図り、ありのままの魅力的な自分で勝負する独特の演技コンセプトが好評を得ております。

劇団道化座に13年間所属し、日本各地、海外公演に数多く出演。道化座退団後はフリーで演出・俳優活動を行う。「社会に寄り添う演劇」を掲げ、2019年に劇団ブルアを設立。同劇団代表を務める。現在の演劇活動として、演出業、俳優業だけではなく、関西各地で演劇のワークショップで演技指導も行う。出演回数は400ステージを超え、実践的な演技指導が持ち味。またスタニスラフスキーシステムを独自にアレンジしたブルアメゾッドを作り、「身体動作から感情を誘発させる」演技術を展開し、リアリティーのある演技を追究。「役の人物を介して自分を表現する」「自己探求」などを念頭に演技向上を図り、ありのままの魅力的な自分で勝負する独特の演技コンセプトが好評を得ております。

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