今の演劇界で私は不思議に思っていることがあります。

今から申し上げることは、気分を害される方もおられるかもしれません。ましてや、どこの人かも分からない全く知らない一演劇人の言うことですので、何を偉そうにと思われる方もおられるでしょう。

ただ、このブログをご覧になって下さる方は、志の高い方と思われますので、私の意見も一意見として参考にしていただければ幸いです。

私はかれこれ30年ほど演劇をしておりますが、今の演劇の世界が成長しているようには思えません。

もっと言えば、昔の演劇の方が今よりも数段上の品質があったのではないかとさえ思えます。

また、演劇をする環境が段々と少なくなり、今まで培ってきた演技の技術を教える方も段々と減ってしまったのか、今ではその演技法を知らずに舞台に上がる人も多く見受けられるようになりました。

また、経験値の少ない方が、演技を教えることで、本来の演技の意味を失ったものもあるかもしれません。

いずれにせよ、教えるところがビジネスになってしまったら、どの世界もそうかもしれませんが、学校は生徒の為ではなく教師のための場所になるのは仕方のないことなのかもしれません。

勿論、しっかりと昔ながらの演技法をお教えされてるところもありますので、こういうことを申し上げると、お叱りを受けそうですが、今の社会と演劇の関係を見ると、段々と演劇はよりマイナーな世界へといっているのはあながち否定出来ないのではないでしょうか。

例えば、舞台の立ち方、位置取り、動き方。こういった基礎を分かって動いている俳優さんは本当に少なくなりました。

いや、全部が全部、昔の演技法が素晴らしいと言いたいのではありません。しかし、昔の演技法というのはかなり計算された理にかなった技術が多く、それを知っていれば今でも使うのは当たり前のことなのにもかかわらず、その技術を使わないのは、知らないからだと思われます。

何で、こんな素晴らしい技術を使わないのか…知らないということは本当に残念なことだなと感じます。でも、そのことが残念だと感じる人も最早少なくなっているのかもしれません。

これは、演劇の危機的レベルの話だと思っていまして、多くの俳優が演技を誤解したまま舞台にあがってしまっているような状況になっているようにも思えます。

偉そうなことを申し上げて、本当に恐縮です。まるで私が本当の芝居を知っているかのような口ぶりですよね。

勿論、そんなことはありません。私自身もまだまだ発展途上の身ですので、これは一つの問題提起として挙げさせていただいてる内容でして、そこを何卒ご理解いただければと願います。

では演技を誤解している俳優と私が問題提起しているのはどういうところかということを次のページで申し上げます。

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「演技の話❸ 表現しない演技とは」への4件のフィードバック

  1. はじめまして。Twitterでは、
    フォローさせていただいております。50代のフリーの役者をしております、青山誠司と申します。
    今回のブログも、とっても納得しながら拝読させていただきました。
    自分の心をうごかす方法!
    私は20代から大阪の劇団に入って会社員もしながら芝居を続けてきましたが、恥ずかしながらどうも自分の演技は不自然だ、と感じて、今年2月から改めて、ある演技塾に通って
    おります。その教室を選んだのは、
    受信と発信について、自分は相手からの受信が不十分ではないか、という疑問の部分を学べそうだと思えたからでした。私はどうも、発信にばかり気が取られていて、感情表現も怒ろうとして怒る、喜ぼうとして喜ぶみたいなことに、なっているのではと・・。
    現在は改めて、相手に集中というかしっかり相手から受信して、それにより反応するという演技を心がけております。感情表現も、そもそも日常生活では感情を抑えている場面も多い中で、不自然に過剰演技にならないように、自然な反応での演技になるように、心がけて行きたいと思っております。
    ブログを拝読させていただき、どこまで書かれていることを理解できているか分かりませんが、大変に参考になっております。
    本当にありがとうございます。
    今後とも、よろしくお願い申し上げます。

    1. 青山誠司さま

      こんばんは。初めまして。劇団ブルアのさいとうつかさと申します。
      この度はコメント下さいまして誠にありがとうございます。

      Twitterではいつもお世話になっております。

      いつもTweet拝見させていただき、いつも勇気をいただいております。
      青山さまの演劇に対してのご姿勢に尊敬申し上げます。

      怖れながら、演技について、私もまだまだ発展途上の身でございますので、こうではないかということをBLOGに書き記させていただいております。

      今回のご感想の中で、しっかり相手から受信して、それにより反応するという演技を心がけてるというお言葉がございましたが、私も同感でございます。

      というのも、私自身も、受信することについて、今まで演技指導を受けてきた中で出来そうで出来ないことを求められて戸惑ったこともありましたので、そこをどうにかできないかと考えていたこともありました。

      この内容についても以前ブログに書きましたので、もしよろしければご覧いただければ幸いです。

      《演劇ワンポイントレッスン⑯》【超簡単】相手の台詞はこう聞こう 
      https://burua.net/lets-hear-the-other-partys-line-like-this/

      今後のご活動で、お役に立てることがありましたら是非よろしくお願いします。

      ありがとうございました。

      さいとうつかさ

  2. さいとうつかさ 様

    お世話になります。
    このたびは、お忙しい中、
    丁重になご返信までいただき、
    誠にありがとうございました。
    ご紹介いただきました、

    《演劇ワンポイントレッスン⑯》【超簡単】相手の台詞はこう聞こう

    も、拝読させていただきました。
    とても納得できました。
    私自身、取り入れさせていただき
    ながら、これからも精進していき
    たく存じます。

    本当にありがとうございました。
    今後とも、ブログでも勉強させて
    いただきたく存じます。
    何卒よろしくお願い申し上げます。

    青山誠司

    1. 青山誠司さま

      こんばんは。
      お返事くださいましてありがとうございます。

      拙い文章で読みにくいところもあるかと思いますが
      これからも、よろしくお願いします!

      こちらも頑張って参ります‼
      失礼します。

      さいとうつかさ

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