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演劇って実はもの凄いんですよ‼

このことを演劇教室や、ワークショップ、俳優養成講座で話すようになって10年。

しかし、まだまだ浸透してはおりません。

演劇は世間では一娯楽でしかとらえられていないのが私の率直な印象です。

演劇をしてる方でもそう思われている方がおられるので少し寂しいなって思います。

もちろんそうではない方も大勢おられるとは思うのですが、現状で言うと、演劇がもの凄いものとするならば、かなりの影響力を及ぼすはず……。

しかしそうはなっておりません。

演劇が何故すごいのか?……こういう考えも薄れているのかもしれません。

私なりに、演劇が何故すごいのかというのを簡単に説明すると、

人の心を動かす力が強大なエネルギーがある

ということ。

ひいては、群衆をも動かす力があるのです。

しかし、このことを理解してる方は演劇関係者の中でもかなり少ないと感じます。

ですので、私は、後進の方々の指導をする際、演劇の歴史からお話しさせていただきてます。

演劇に何故歴史が必要か……?

この話になるとかなり長文の説明になるので省きますが、歴史の流れから演劇がどのように発展していったかをみて、歴史上のそうそうたる人物が関わっていることを知るだけでも十分理解が出来るところであります。

つまり、歴史を見ると如何に演劇が凄いのかが分かってくるのです。

しかし、何故か、日本ではその演劇の凄さを表すようなものがありません。

日本では、演劇はどちらかというとマイノリティーな世界。

それは百歩譲って仕方がないにせよ、

演劇をしている人もこのことを理解せずに演劇に携わっていることは今後の演劇の発展にはよろしくない……

と思ってしまうのです。

私が、歴史の話をすると、途端に顔が曇る方も中にはいらっしゃいます(笑)

そんなことを学びに来たわけではないと思うのも分かります。

しかしこの歴史をしっかりと認識していないがゆえに、演技に輝きが持てないのだと言えばどうでしょう?

それならば、無理にでも聞く必要があるのではないかと思うのです(笑)

学ばれる側にしたら、演劇の歴史と演技が関係するとは思っていない。

けども、芝居をお教えする私からすると、大いに関係すると言っていて、ここが頭の中で繋がらないから演技に磨きがかからないとも思っているのです。

ここまでくるともう変な話でしかないのかもしれませんが、私……本気なんです。

世間では、人の心は動かせないという言葉を時々耳にします。

だから自分から変わることと言う人がいます。

しかし私は、人の心が動かせない人は、自分の心も動かせないのではと思うのです。

自分も人ですから。自分の心を動かすのも大変なのではないでしょうか。

これは、相手に変わってもらおうとするのは間違いだという意味合いだと思うのですが、そもそもこれは方便の問題であって、全てに当てはまるわけではありません。

色んな状況があるわけですから、相手に変わってもらわないといけないことも絶対にあります(笑)

その折り合いをつける努力が本来は必要であって、そこをなんでも自分が変わらなければとすれば、尚難しい局面に陥るのは目に見えています。

また相手が変わらなければ、離れる、逃げるだってあります(笑)

余談にはなりましたが、人を変えることは出来ないという考え方は、人を変えようとする努力を怠ることにも繋がるので、本当は人を変えるくらいの人にならなければ、ならないのではないかと思うのです。

そう思います。

何も大勢の人でなくても良いのです。

それが身の回りの一人二人でも構わないのです。

この人のお陰で私は変わりましたという人になれないと、演劇で感動を与える人にはなれないのだと思うのです。

そして演劇の技術は、そういった人の心を変える力があり、その技術をもっともっと学んでほしいのです。

ですから、それを多くの方に知っていただければ、志しある方々はその技術を何としても手に入れたいと思うはずです。

ではどうすれば、人の心が動かせるのでしょうか?

それは、心から人と接することだと思います。

まず、私が思うに、人に関心を寄せてもらうことが肝心だと思っています。

人に関心を寄せていただくためにはどうすれば良いのか……?

それは、とても単純です。自分からあなたに関心がありますとお相手に関心を寄せれば、相手の方もこちらに関心を寄せていただく確率は上がるのです。

これだけで、お相手の行動の変化がありますよね。

この行動変容がやがて習慣となれば、私がお相手を大切にしたいと思うことと同じように、お相手も私のことを大切にしてくださる確率が上がる。

これで相手の心はもう変わっているといえるのではないでしょうか。

演技にはこうした相手を大切にしたいというホスピタリティー溢れる技術が沢山あります。

演技はその殆どが、無意識の部分に訴えているので、意識的には分かりません。

しかし、そういう無意識の部分で大きく心が動かされているのです。

それがやがて、劇場全体に広がり、劇場にいる人全員の集合的無意識に作用されるのです。

劇場全体が一つとなって呼吸をしているような感覚です。

こうなれば、とてつもない強大なエネルギーが生まれるのです。

そこにいる人たちの眼前に広がる景色は瞬く間に変化していきます。

自分は何にでもなれるといった心の底から湧き上がるエネルギーを感じるのです。

ここまで話をすると、もう胡散臭いですかね(笑)

ですが、私はそう思っていつも舞台に立っています。

何故、そんな得体のしれないものを信じられるかってことですが……

その時に思うのが、演劇って実は凄いのですよというところに回帰するからなのです。

どうして凄いのかと言われれば、演劇がどのように行われていたのか、歴史を見るとそれが一目瞭然だからです。

多くの群衆の心を動かすことができるツールなのです。

最後に、なぜ人の心を動かすことができるのか……ということですが、

純粋にそう考えば……

その結論が、

「思えば伝わる」

という究極の演技法があるからなのです。

本当にバカバカしいことを言っているように聞こえる人が多いのではないかと思います。

しかし私は、その究極を目指して、

仮に自分ができなくても、誰かにその想いを継いでやっていただければと思っております。

演劇の力は本当に凄いのですよ。

共感いただける人がおられましたら嬉しく思います。

劇団道化座に13年間所属し、日本各地、海外公演に数多く出演。道化座退団後はフリーで演出・俳優活動を行う。「社会に寄り添う演劇」を掲げ、2019年に劇団ブルアを設立。同劇団代表を務める。現在の演劇活動として、演出業、俳優業だけではなく、関西各地で演劇のワークショップで演技指導も行う。出演回数は400ステージを超え、実践的な演技指導が持ち味。またスタニスラフスキーシステムを独自にアレンジしたブルアメゾッドを作り、「身体動作から感情を誘発させる」演技術を展開し、リアリティーのある演技を追究。「役の人物を介して自分を表現する」「自己探求」などを念頭に演技向上を図り、ありのままの魅力的な自分で勝負する独特の演技コンセプトが好評を得ております。さらに、自身のBlog『さいとうつかさの演技力会話力Blog』は1000万PVを超え、多くの方々から支持を得ております。

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