確認のためにご覧いただければと思います。

無意識の動作っていうのは、普段私たちが意識せずに動いている動作のことを指します。息であったりがそれにあたりますが、他にも、自転車や車の運転などもそれにあたる場合があります。

つまり、考えていなくても、動けている、または対処しているもの全てが無意識の動作という訳です。

実は、この無意識の演技が一番難しくて、この練習の方法としては、まず、無意識に動いている動作を知るところから始めないといけないのです。

次に、その無意識の動作を意識化する作業をします。

そして、この意識化させた動作を反復練習し、無意識下に再び戻します。

このように無意識の動作というものは一手間がいるのですね。

ここを蔑ろにしている役者が実は多いのです。

ここを疎かにすると、ほぼ間違いなく、芝居臭い役者に見えます(笑)

兎に角、役者の動機がありありと見える演技ばかりになるので、芝居している観満載になるのです。

表現をする時に、必要なのは、気持ちの動くトリガーから出力するということをし、表現しようと意識することを極力なくさないといけないのです。

動機というものは、無意識に観客に伝わりやすく、意図したものはその意図したものとして伝わってしまうのです。

ですから、出来るだけ意図せず、きっかけが来たときにただボタンを押すだけで、後は自動的に感情が誘発されるという自分のシステムを作らなければならないのです。そのシステムの構築が、反復運動によって、自分の感覚として落とし込めるところにまで持っていけるかということなのです。

これを身体動作から感情を誘発させる演技法と私たちのブルアメソッドでは申しております。こういう演技をして限りなく自然でリアリティーある表現を目指してます。

さて、動画では、なかなか分かり難い無意識の動作、ここでは一つご紹介します。

先ほど、一番に挙げた『息』の動作についてお話しします。

呼吸動作のことですね。

人間は感情が動く前に大小の驚くという動作があります。

そして、この驚くという動作は呼吸動作で言うと、「吸う」という動作表現にあたります。

つまり驚いたら、人間は息を吸うのです。

息を飲むというのもありますね。あれも息を取り込んでいるのですね。

驚く度合いによって、息の大小が変わります。当然大きい驚きであれば、大きく吸うことになります。

または何かを発見した時も、驚きとして息を吸います。

つまり息を吸うことによって、無意識の動作が出来ているということです。

ただし、息を一回や二回吸っただけで、その感情が沸々と湧き起こることはありません。

そこで反復練習をして、その時の感情の仕方をイメージすることにより、自分の中で臨場感を高めていく作業が必要なのです。

そうすると、ある日、感情が湧き起るような感覚が芽生えます。このことを体現と言います。

お芝居はこの体現したものを舞台上で再現することなのです。

息を吸うことにより体現されたものは、自動的な連鎖動作が生まれます。

例えは、息を吸うことにより状態をそるという動作に繋がったり、大きな場合は、一歩後退りするといった、足にまで連鎖が広がることもあるのです。

このように、驚くという動作を多種多様に使いこなすことが出来ると、色んな感情を誘発させるとことに繋がるのです。

では、何故、このような芝居が大切なのか……?

最後にこの話をさせていただきます。

多くの役者が、意図を持って表現しようとしています。例えば、自分のセリフが怒っている表現ならば、怒る表現一辺倒にしようとする人が本当に多いのです。

しかしリアリティーを考えると、怒っている人は怒っている中にも、相手の出方によって、接し方を変えて方が寧ろ自然で、出したり引いたりして、感情を増幅させたり、または収縮させたりするわけです。

そういった感情はどう作るのかというのは意図的なものだけではカバーできないのです。怒りの中にも、あきれるという表現があったり、悲しみの表現や、笑いの表現もあるのです。

こういった表現は、実は、感情が誘発されたものでしか、現れえないものだったりするのです。感情が誘発されると、自動的に様々な感情の表現が誘発されて、怒りの中にも複雑な感情が表れるのです。

これを我々は感情のスイッチと言って、一度スイッチが入ると自動的に感情表現が成されるということに繋がる演技法をマスターするのが私たちの目指す演技法なのです。

感情の表現の答えは自分の心の中にあるのです

その自分の無意識の中にあるところにアクセスするようなものを私たちは日々行っているのです。

これこそ究極の自分を信じる作業ではないでしょうか。

これらの知識を得て、もう一度動画をご覧になられると、おそらく違った景色に見えることだと思います。

頭で考えた表現では感動を生まない。

今、生きているという表現だからこそ、共感を生み感動を与えるのです。

劇団道化座に13年間所属し、日本各地、海外公演に数多く出演。道化座退団後はフリーで演出・俳優活動を行う。「社会に寄り添う演劇」を掲げ、2019年に劇団ブルアを設立。同劇団代表を務める。現在の演劇活動として、演出業、俳優業だけではなく、関西各地で演劇のワークショップで演技指導も行う。出演回数は400ステージを超え、実践的な演技指導が持ち味。またスタニスラフスキーシステムを独自にアレンジしたブルアメゾッドを作り、「身体動作から感情を誘発させる」演技術を展開し、リアリティーのある演技を追究。「役の人物を介して自分を表現する」「自己探求」などを念頭に演技向上を図り、ありのままの魅力的な自分で勝負する独特の演技コンセプトが好評を得ております。

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