私たちは考えの及ばないものに対しては、ないものとして都合良く考えるのかも知れません。
ないとならば、当然先には進めません。
何を学ぶかを重要とすると何を学んだほうが良いのかが見えなくなるのです。
技術の学びはこれでは学べない。
理論的に教わる知識は学びであっても、技術の学びとはならないのです。
技術の学びには遊びが必要で、道草を食った方がふとした事で気づきを得ることがあり、そのひらめきが技術の種となるのです。
『この種は、どうしてそうなったかは分からない。けども、よくよく考えれば、その技術の種を育てれば上手くいくのは分かる』
という不思議なものが現れるのです。
これが技術の学びなのです。
このような神秘的なものを感じると、技術を身につけることが楽しくなる。
だから、物事が続くのですね。
学びを最短距離で得ようとするとこの道は見つけられません。それで多くの方が挫折するのをたくさん見てきました。
好きだからするとか、やる気があるからするで出来る甘い世界ではないのです。
寝ても覚めても考えているから、そのようなひらめきが生まれる。
これが技術を身につける事が真の学びなのですね。
あなたがもし演技を身につけたいと思うのであれば、毎日毎日その思いの炎を燃やし続けることが大切で、根性ややる気などのいわば日替わりの意思に頼らないことです。
そのためには、目の前のことを有り難くすること。自分の歩幅で歩むことが肝心です。
そうすれば、楽しい道になります。何故かというと、それは簡単です。
自分の歩幅で歩く人は自分の進化を誰よりもいち早く気がつくからです。
自分の評価は自分で決めること。そして常に自分は出来るんだと信じること。これが真の自信となるのです。
最後までご覧くださいましてありがとうございました。
さいとうつかさ
劇団ブルア 代表
劇団道化座に13年間所属し、日本各地、海外公演に数多く出演。道化座退団後はフリーで演出・俳優活動を行う。「社会に寄り添う演劇」を掲げ、2019年に劇団ブルアを設立。同劇団代表を務める。現在の演劇活動として、演出業、俳優業だけではなく、関西各地で演劇のワークショップで演技指導も行う。出演回数は400ステージを超え、実践的な演技指導が持ち味。またスタニスラフスキーシステムを独自にアレンジしたブルアメゾッドを作り、「身体動作から感情を誘発させる」演技術を展開し、リアリティーのある演技を追究。「役の人物を介して自分を表現する」「自己探求」などを念頭に演技向上を図り、ありのままの魅力的な自分で勝負する独特の演技コンセプトが好評を得ております。