自分に関心を寄せると人に関心を寄せられる

この話を最後に持ってきた理由は、今までのことをご理解した上で、このことを試さないと、途中で頓挫してしまうかもと思いまして、こういう構成でお話を締めさせていただきます。

この話は講座でも、とても驚かれる内容で、是非お持ち帰りいただければと思います。

自分に関心を寄せるということ。これはそんなに難しいことではありません。しかし私たちが難しくしているから出来ていない方が多いのかもしれません。そういったお話です。

私たちはどこか勘違いしているところがあるのかもしれません。それは・・・・・

自分も心ある人間だということ

私たちにも心はあるのです。でも、そこまでは「そんなことは誰にでも分かるわい!」って感じですね(笑)

ただです。行動を見ると決してそういう風に心ある人に対しての対応はしていない方は案外おられます。ここが問題なのです。どういうことかというと、自分に結構強いて行動させている人が意外に多いのではないでしょうか?・・・・・ということが言いたいのですね。

特に「こうしなければならない」「ああするべきだ」とこういう考えをされている方は、それが本当に自分のしたいことなのかを自問自答した上での行動であれば良いのですが、周りの意見から、半ば強引にされている方は本当に多いのです。

軽いところで言うと、お芝居のダメ出しだってそうです。自分で考えてきたものをダメ出しされれば、どうでしょう?・・・・・それは仕方ない言うとおりにしようと考えている人が多いのかもしれません。しかし、ちょっと待っていただきたいのが、本当にそれで良いの?自分はどう考えているの?・・・・という自分の本来の気持ちも入れて考えていただきたいのです。もしかしたら「せっかく、一生懸命考えてきたのに!」って思っている自分がいるのにもかかわらず、「演出の言われることが正しいから」とそこを素直に聞き入れれば、周りからすれば物分かりの良い人ですけども、自分にとっては自分の気持ちを置き去りにされた感が否めないのです。この感覚が鈍ると実はとってもとっても深刻で、やがて稽古がつまらなくなるのですね。すること成すこと「しなければならない」ことだらけになってしまって、周りから見ても、もうマリオネット状態になってしまうのです。

ここで原点に戻ってもらいたいのです。

そういう自分を見てもらいたいですか?

答えはノーですよね。自分が生き生きとして自分がしたいことがしっかりと出来ていることを舞台でご披露したいと誰もが思うはずなのです。

だけども、そうはならない原因を作っているのは実は自分の行動によるものです。その行動が、自分を置き去りにしているという行為です。自分にも心がある。ですから、自分の心を置き去りにしてはいけないのです。

自分が何故舞台に立ちたいのか?・・・・・このことを考えると、観てもらいたい!注目されたい!という心の叫びがあるのです。その言葉に耳を傾ける人でなければ、声は届きません。その言葉をしっかりと聞ける人が、実は注目される人になれるのです。

自分に関心を持つことが何よりも重要で、自分の出来なかったところに関心を寄せると本来の自分を見誤るということ

このことを若い希望ある人たちに早く知って欲しいのです。そうすれば、変なことに悩まずに済みます。目の前がクリアになって、今「自分が成すべきこと」と「自分がしたいこと」がイコールになって、自分を導く道が見えてくるようになるのだと思っております。

これが自分に関心を寄せる行動だということだと思います。

では、次にどうして自分に関心を寄せることが(周りの)人に関心を寄せられるかというお話をさせていただきます。この理由はとても簡単で、自分に関心を寄せると当然自分の成長を一番の優先順位に行動を変えていきます。すると当然自分は成長するので、自分の成長が全てにおいて繋がっているのが段々と見えてくるからなのです。例えるならば、高い所に上がった方が多くのものが見える理屈とまるっきり同じなのです。ですので、自分に関心を寄せる行動は高い所に登るという行動に繋がり、多くのことが見えるという行動が、人に関心を寄せる行動に繋がっているのです。

そして最後に、この言葉で締めくくります。

人に関心を寄せれば間違いなく自分に関心を寄せていただける

人に関心を寄せる=注目される人

注目される人になるには、実は凄くならなくていいんです。人に関心を寄せることだけで良いんです。

何故ならば、世の中は、自分に関心を寄せていただきたいと願う人が圧倒的に多いからです。この願いを叶えれる人が、注目に値する人になるわけですね。周りに関心を寄せる人の周りには必ず人がたくさん集まってきます。ですから、ここを見誤ってしまうと、危険なのですよ。自分が凄い人だから注目されて当たり前なんだと考えるような行動になりますからね。凄い人でも嫌いな人になれば注目はしてもらえないという原理原則を見誤ってはいけません。

ただ、人に関心を寄せるためにはちょっとした下拵えが必要で、それがまず自分に関心を寄せるということ。自分の出来ていることにフォーカスして活動する。そうするとその行動が自然に自分が凄くなる環境に誘ってくれます。周りを見渡せることも自然に出来てくるのです。そこで自然に周りの人へ関心が出てくる。こういう流れです。

このことを演劇を学ばれる時に出来るだけ早い段階でお気づきになられることを切に願っております。

きっと楽しい演劇活動になりますよ。

最後までご覧いただきまして誠に有難うございます。

劇団道化座に13年間所属し、日本各地、海外公演に数多く出演。道化座退団後はフリーで演出・俳優活動を行う。「社会に寄り添う演劇」を掲げ、2019年に劇団ブルアを設立。同劇団代表を務める。現在の演劇活動として、演出業、俳優業だけではなく、関西各地で演劇のワークショップで演技指導も行う。出演回数は400ステージを超え、実践的な演技指導が持ち味。またスタニスラフスキーシステムを独自にアレンジしたブルアメゾッドを作り、「身体動作から感情を誘発させる」演技術を展開し、リアリティーのある演技を追究。「役の人物を介して自分を表現する」「自己探求」などを念頭に演技向上を図り、ありのままの魅力的な自分で勝負する独特の演技コンセプトが好評を得ております。

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