今回の表題は口頭での説明が難しいので、動画でもご説明いたします。
下記のリンクページは当劇団の俳優養成講座の練習風景のページになります。
色々な練習風景が動画でご覧にただけるのですが、今回の内容はその中の「共演者の演技を生かす演技練習」という5分程度で説明した動画をご覧いただけましたらと思います。(神戸の劇団なので、普通に話す時は関西弁。芝居の時は標準語になってるので地方劇団ならではですね)
文章で簡単にご説明すると、
共演者のためにもホスピタリティのある演技をしましょう
ということです。自分の登場シーンは、自分だけではなく、共演者の方々、舞台セット、音響、照明の全てのものを踏まえた上ので考えられた演技でなければ、生きてはきません。
自分はこういう気持ちだからと言って、各々が好き勝手にお芝居をしていたら、お客様はどこを観たら良いのか分かり難くなってしましますよね。
ですから、方向性をしっかりつけるために、前からどのように見えて表現した方が良いのかをしっかりと考えた上での演技でなければなりません。
また自分の演技表現はどんなやり方でも通用する場合があります。その時に、周り全体を考えて、この演技が一番周りとの調和が図れているなというものがあれば、それが一番最高の演技プランだと思うので、そうして演技の探究していくのです。
このように、相手の動きをしっかりと頭に入れて、しかもどうすれば相手は演技がしやすいかも考えた演技を作ることが出来ると、相手が芝居がしやすくなるばかりか、お客様にとっても見やすい演技となるのです。
こういう風に、相手のことを考えた演技が出来るようになりますと、作っていく段階でも大変面白いですし、稽古の雰囲気も良くなるので、是非相手の為に動ける俳優を目指していただければと思います。どうして面白くなるのかというと、
あなたと芝居するのが楽しい‼
と周りの方から沢山言われるようになるからです。また周りの人がとっても芝居しやすくなるので、一人一人調子が出てくるようになるのです。
こういう風に自分が作品の雰囲気を作るんだと考えれば、ホスピタリティの精神は生まれます。
勿論、このことを実践するには、客観的な視野が求められますので、自分だけになっている人には難しい芸当です。
ですが、俳優は人に影響力を与えることが出来るのが理想ですので、俳優をやる以上は是非ここを目指していただきたいものです。
他にも、俳優養成講座での練習風景を先ほどのリンク先に載せております。ご関心がありましたら、ぜひご覧下さい。
最後までご覧いただきましてありがとうございました。
さいとうつかさ
劇団ブルア 代表
劇団道化座に13年間所属し、日本各地、海外公演に数多く出演。道化座退団後はフリーで演出・俳優活動を行う。「社会に寄り添う演劇」を掲げ、2019年に劇団ブルアを設立。同劇団代表を務める。現在の演劇活動として、演出業、俳優業だけではなく、関西各地で演劇のワークショップで演技指導も行う。出演回数は400ステージを超え、実践的な演技指導が持ち味。またスタニスラフスキーシステムを独自にアレンジしたブルアメゾッドを作り、「身体動作から感情を誘発させる」演技術を展開し、リアリティーのある演技を追究。「役の人物を介して自分を表現する」「自己探求」などを念頭に演技向上を図り、ありのままの魅力的な自分で勝負する独特の演技コンセプトが好評を得ております。