演技術は普通の人には見えないものと以前もブログでも記しました。

それは演技だと分かってしまうと物語に誘うことが難しいからです。

「あの人の演技は上手い」

これは俳優にとっては誉め言葉ではありません。

演技だとバレているからです。

素晴らしい演技になればなるほど、作品自体にフォーカスされて、

「素晴らしい作品だった‼」「良かった‼」

と言っていただけることの方が良いのです。

その後で、あの人は味があって良いですねという話になれば、それが一番素晴らしいお褒めの言葉になるのだと思います。

演技だと分かってしまうと作品に入れないくなるのは、お客様に意識させるところが間違っているといえます。

「そんなところにお客様を誘う方法の演技があるのか!」

と驚くようなことが実はたくさんあるのですが、この技術をお教えできる人も少なくなっているように思います。

それは何故かというと、一つには技術の継承が「技術は盗め」という俳優が私たち先輩には多く、手取り足取り教えていただけることはまずありませんでしたので、なかなか広まらなかったということが挙げられます。

それに、プラス、殆どの俳優志望の人間がこの世界では食べていけないという理由で続けられなかったので、その短い期間では分かりえなかったということ。

さらに演劇をお教えいしている環境が「現場」ではなく、学校になってしまったため、その学校でお教えいしている先生方も舞台経験の少ない方々が増えてきたので、その技術を知らないから教えようがないという理由があるのだと思います。

実践でお教えする技術は、実際に目の前でやってみせても、

「どこが技術なのかは分からない」

ものなのですね。

「でも、今の動きで意図通りの気持ちが伝わったでしょ?」

と聞くとほぼ全員が頷くのです(笑)

どうして、こんなことになるのかというとですね。

『無意識に伝わる』動作があってそれを表現の中に入れているから

なのです。

普段私たちは、無意識に相手の動機を感じ取っています。

この人何だか感じが悪いな…

と感じる場合、相手は自分のことをほぼ良くは思っていません(笑)

これは大体分かりますよね(笑)

ではどうして、それが分かるのかというと、それは言葉の内容ではなくて、言葉を発している時の動作でそれが漏れ出てるのですね。

その動きを一つ一つ引き出しで入れておくことが大切なのです。

先ほどの話ですと、動いてご覧入れた時は、何故だか分からないけど意図通りに感じたというでしたが、ここで、このような動きをしています。どう見えますか?と一つ一つの動きを説明すれば、

「言われてみればその動きで感じます‼」

と気がつくようになるのです。

でも、ここで注意が必要なのは、

「私がやるとそのように見えるけど、あなたがやってそう見えるとは限らない」

ということもお伝えしていて、このことが分かるのに長い月日がかかるのです。

これはどうしてそうなってしまうのかなのですが、ここで大事なことを言います。

演技というのは自分が納得したものでないといけない

ということです。

つまり、私のやった動きを自分で何回も反復させて、その気になれるかということが非常に重要になってくるのです。

その気になれないということは、その動きから感情が誘発されていないということ。

つまり、その動きをした時に自分の感情が湧き起れば、その時に初めて「これか!」と自分で納得できるのですね。

これは、表現すると伝わるという意識で考えていると、見つけられない技術なのです。

自分がしっかりと感じることが出来たから伝わるんだと意識すれば、見つけられる技術なのです。

私のお教えした動きは、動きの型をお教えしていたのではなく、その動きを何回も反復練習させて、自分の中から出てくる答え見つけることなのですね。

「さいとうさんは少し顔を上げて相手を見ればそういう風に伝っていたけど、私の場合は、もう少し顔を上げないとそういう風には伝わらない。」

そういう風に動きの仕方なども自分流に変わってくるものなのです。

因みに、私がお教えしているレベルを言うと、こんな感じで一つの動きを表現してます。

『感情が動くきっかけが来た時に、まず息を鼻から吸う。次に伏し目であった目を少し上げて、顔をゆっくり目の高さまで上げる、息を止めて気がついたら自分の顔を正面まで上げ、瞬きを一回入れる、それから首から相手を見て身体の向きを後から向け、最後に足を身体の方向に向けた足の位置にステップする、この時右足から動くか左足から動くかでまた意味が変わりますから注意して下さい』

一つの動きで、ここまで注文するのです(笑)

「振り向くだけのシーンでこんなに多くのことを意識するのですか!?」

とよく驚かれます。

しかし、これは当たり前のことです。こうすることで無意識に見ている人に伝わる演技になっているのだということをまず理解しないとダメなのです。

俳優修業を始められたばかりの人は、ここを勘違いされている人がいますが、

台詞を話している時よりも、セリフの間を表現する方がよっぽど重要

なのです。

間を表現するために、セリフがあると言っても良い(笑)

のです。

これを言うと本当に驚かれます(笑)

だって殆どの方は、セリフをどう表現しようかと悪戦苦闘するわけですから。

でも、セリフは極端な話、間がしっかりと表現できていたならば「棒読み」でも成立します。

それくらい、間が重要なのです。

間は、観ている人を想像させる動き見せる格好のポイントなのです。

だから、セリフよりもしっかりと動きを決めていると間違いなく、テンポの良い芝居になるのです。

間の動きを想像している間、セリフが進むと、お客様は

「待って待って!」となります。

こういう風にお客様に話を追いかけてもらった方が、

時間は短く感じるものなのです。

この時のお客様の集中力は凄まじく、時間を感じさせないといった具合でしょうか。

これがよく言われる「あっという間に時間が過ぎた」という芝居になるのです。

しっかり2時間あっても、

あっという間の2時間もあれば、

地獄のような延々と続く2時間もあるのです(笑)

お客様に想像していただけるようにするためには、こういったセリフの間をしっかりと魅せられているかどうかなのです。

このことをお教えできる人がもう少なくなっていると思います。

この今の言っている理論はお分かりになるかと思われますが、でも実際にどうやっていいのかというのは分からないと思います。

これが現場の技術なのです。

現場の技術は先ほども言った通り、口頭で教えてもらえるものではありません。だから場数がいるのですが、その経験者が段々と少なくなっているのが現状だと思います。

これから先、ますます少なくなっていくことでしょう。

ですので、まずは意識改革が必要なのです。

演技というのは、普通に見てもそこに技術があるとは分からないもの。だから、どうしてそう動くのか、まずはしっかりとコピーする。真似るのです。すると、ここで瞬きをしているのはこういうことかとか、ここで手を動かすのはこういう意味があるのかとか、自分の内なる感覚に目を向けるのです。すると、他の動きにも意味があるように思えてくるので、それを探求していけば、より伝わる演技が確立できるようになる。

こういう風に考え、そうやって引き出しを増やしていけば、より伝わる演技の使い手となり、お客様を味方につける俳優へと成長するのです。

今、この見えない演技を知っている人は本当に少ないです。

この演技を習得すれば、間違いなく注目に値する俳優へとなります。

何故なら、伝わる演技をする人は、お客様から好感が持たれるからです。

何故、好感を持たれる俳優になれるのか?

これをご覧になられた方はラッキーです(笑)

とっておきのことを言います。

それは、

お客様のニーズに応えられている人だからです。

一方、ダメな俳優のことも言います(笑)

それは、

お客様のニーズに応えていない人だからです。

そんなの当たり前じゃないかと思われますよね(笑)

では、ニーズとは何かと言えば、

「伝わる芝居」をしている俳優がニーズに応えている演技で、好感が持てるのですが、「伝える芝居」をしている俳優はニーズには応えていない演技で、好感が持てない。

つまり「伝わる芝居」がニーズなのです。

これが分かっただけでもラッキーです(笑)

これは殆どの方に知られていません。

もう一つ肝心なことを言います。出血大サービスです(←昭和かwww)

台詞表現は伝える意味合いが強いので、伝える芝居となりやすい。

つまり、伝える芝居になりやすい。

動作表現は伝わる芝居になりやすい。

何故なら、動きから想像するというお客様の行動を伴い、その行動が汲み取るということに繋がっているからです。

お客様に想像していただくことが、芝居の醍醐味なのです。だから、想像力をより働かせる動作の方が圧倒的にお客様のニーズに応えているのです。

ですから、これからは台詞よりも台詞の間にある間に意識して見て下さい。そうすれば、どういう風に台詞を言えばいいのかも自ずと見えてきます。

出欠大サービスですが、これを具体的に学ぶにはどうすれば良いかは実際の練習をしないと掴めませんので、是非俳優養成講座にお越し下さい。

最後に、セリフはですね。作者の魂が入ってるのです。だから言葉だけで伝わるようになっているのだと思います。

それを変に虚飾するから可笑しなことになってしまっているのかもしれないのです。

それよりも、作者の考える間を紐解いていけば、台本が180度イメージが変わることだってあるのです。

もっと言うと、今のお芝居の拙いと思う原因の一つは、台本を読み切れていないということがあるのです。

作者はそんなことを書いてはいない。そういうことは結構あるのですね。

台詞を言えば意図通りに動くと思ったら大間違いです。言い方ひとつで、全てが変わるのがお芝居の世界です。

その台本の読み込みにも実は技術が言って、それは以前のブログで、『台本を読むには技術がいる』というところで記しましたので、

またご覧になって下さったらと思います。

偉そうに申し上げて済みません。

私自身もまだまだ学びの途中で、分を超えたことを申し上げているのだと思います。

ただ、これから俳優を目指される方には是非お耳に入れていただきたく思い、

差し出がましい内容で誠に恐縮ですが、

今の演劇をもっと社会に役立つものとするために、

私たちはやりたい芝居ではなく、観たい芝居を作ることが求められていると思います。

共感いただけたら幸いです。

最後までご覧いただきましてありがとうございました。

劇団Blue Earth Theater Company代表

さいとうつかさ

劇団道化座に14年間所属し日本全国、海外で公演。現在は役者の勉強会「いわゆるえんげきの会」と当劇団の代表を務めております。ステージ出演回数は400回以上と実践で培った演技指導が強み。劇団以外でも、演技指導、演劇ワークショップを行なう。スタニスラフスキーシステムを独自にアレンジした実践型メゾッド『ゆるえんメソッド』は今までにはない演技練習法として支持を得ております。特長は「ダメ出しではなく褒め出し」「自分を変えないで本来の自分をみつける」という考えで、演技向上だけではなく「自信を深める」演技レッスンを行なっております。

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