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もやし新聞

2026年3月20日(金)~22日(日)に神戸のイカロスの森で俳優養成講座第二期卒業公演『もやしの唄』を上演します。その公演までの約3か月間、不定期ではございますが、「もやしの唄」関連の記事を発信して参ります。名付けて『もやし新聞』。第1号は。劇団ブルア俳優養成講座第二期生の方々への演出の思いを書きました。

演出:さいとうつかさ

劇団ブルアの俳優養成講座は今年度で2期目になりました。関西でも本格的に演技を学ぶ場として兵庫県の西宮市で行っております。今回は10名が受講生でスタートし、途中1名が辞められましたが、9名で卒業公演に向けて只今頑張っております。講座生の中には演劇経験0の方もおられますが、今ではそれを感じさせないくらいに成長されている。そのように感じております。

今回の2期生の印象は一言で言うと『真面目』。一人ひとりが私の言葉の一つひとつを聞き逃さないぞ!という雰囲気があり、緊張感のある講座も多かったように思います。

それはとても素晴らしいことですが、私としてはもっとリラックスして講座を受けてもらいたいということもあり、私の持ち前である自虐を中心に😂お笑いも織り交ぜながら、講座を進めていた時期もありました。

講座では課題もしっかりとやりこなして、演技理論が分かって上でしっかりと演技練習をされているも分かりましたので、正直凄いなとおもいました。また、分からないことがあれば、講座後に残って聞いて下さるし、本当にやる気、向上心が素晴らしかったです。

この座組であれば、皆さんが出来そうな作品というよりも、私がこの座組の方々で観てみたい作品を✨

それが『もやしの唄』だったのです。私はこの作品がとても好きで、実は劇団ブルアの本公演でやってみたかった作品でした。過去、色々な団体様で上演されたのを3回ほど拝見し、この作品に魅了されました。

しかし、この作品は演劇経験の少ない方がおやりになるには、少々難しく、また時代背景も昭和ということもあり、平成生まれも多い座組の中で取り組むのは、勇気のいることでもありました。

台本の読み方の時に、昭和の時代背景、もやしの流通について調べて、もやし農家の拠点が港町近辺であること。戦後の復興にもやしがとても役立ったこと等、近代史についても深い学びになったのではないかと思います。

本来、演劇は、後世に正しい歴史認識を持っていただくためにあるものと考えております。そこに古の方々との共鳴が生じ、人間の崇高さを一体感によって感じることが出来るのです。これこそが演劇の芸術性の昇華であり、この芸術に触れることにより、本来の心の豊かさを知ることが目的だと私は思っております。自分の目の前に仕合わせがあるにもかかわらず、それに気がつかないでいる現代人は本当に多い。何かを手に入れれば、満足が得られ幸せを得られるといった間違った観念があまりに多く蔓延っている。そこに、

芸術は待ったをかける

本来、仕合せというのは「今、ここにある」というもの。それが感じられないのは、今を生きていないということでそれはとても不仕合わせなことではないでしょうか。「失敗したらどうしよう」と常に何かを憂い、「あの時こうすればよかった!」と過去を後悔している。今を感じていない。これは今の現代病とも言えることではないかと思うのです。

それを疑似体験で気付かせてくれるのがこの演劇の真の目的である。登場人物へ感情移入し、今まさに目の前で生きる臨場感に共感することで、本来の感情というものを実感する。その場所が劇場なのです。この生で観る登場人物への感情移入は、映画などの映像では味わえない共鳴を引き起こす。生の人間の鼓動が聞こえてくるような、生の人間の生き様を目の当たりにすると、人間の本能は自然と駆り立てられる。ここに芸術性があるのです。

この芸術性を表すためには、表現という理性の枠を超えたものがどうしても必要となる。それは、お客様に自分の生き様をどのようにお見せしたいかという情熱です。この情熱は、自分が心の底から欲したものでなければならず、この心の底から欲する本能で芸術性を表す。ここに俳優の真の値打ちがあるのだと私は確信している。

芸術を知れば、「今を生きる」ということはどういうことかを知ることになる。この芸術性を養うために俳優性講座を設けました。演技を教えるための場所ではない!良い役者を育てるわけでもない!

つまり自分自身の人間性が成長すれば、後は自分が勝手に思い通りの人間にデザインするという術を共に実践している場所なのです。『もやしの唄』の中にいる当時の人たちの営みを知るということは、その人たちの生き方を理解する行動にもなる。人間関係が希薄化していく中、演劇の練習は、社会と言わば逆行したものかもしれない。けれども、ここを深く理解した人ならば、周りとの結びつきがいかに大事かを知り、和を取り持つことが如何に大切かも分かるようになる。そう感じることで感謝が生じ、周りの恩恵を知ることにより、仕合せを感じ自分も周りの人へ仕合せを感じていただくための奉仕に繋げる。

ですから、私たちはこの『もやしの唄』を通じて、その時代の人間がどのように生きていたのかを表現する必要がある。そうすることで、観客の皆さまお一人おひとりに、その当時の人たちに共感を得ることが出来れば、この作品は必ず成功することになるでしょう。私たちの取組みは明確です。当時の役の人物を介して自分を表現すること。そのためには、当時の人間への慈しみをもって、取り組みませんかということ。もしもそれが叶えば、自分の演技の実力は必ず後からついてきます。

そこを目指して日々、自己研鑽を。

真剣になるためには、まず自分が楽しくなければいけません。ですが自分が楽しい状況に身を置くことは意外に難しいのです。何故なら、自分の目こそが一番厳しく、今の自分の表現に納得できていないのも自分だからです。ですが、自分では納得してやってるつもりという人もいるので、本当に納得して出来ているかどうか分かり難い場合もあるでしょう。その場合は、一つ。稽古が楽しいかどうかです。稽古が面白くなければ、どこか納得できていない自分がいるという一つの目安があります。稽古が楽しくなる方法は人それぞれあるので、一概には言えませんが、特長を言うと、イマジネーションが働いている時は、結構面白いのですね。つまり、こうすれば、やりやすいかもとか。こうしたら共演者は喜ぶだろうとか。常にトライしている人です。間違って良いのでやること。これが肝心なのです。ですがここでも、一つ問題があり、視点が変わらないとイマジネーションは働かないということも頭に入れなければいけません。一番良いのはアングルを変えて台本を見るということ。アングルというのは元は「エンジェルという意味」。つまり次元に違う角度で観るということ。実はこれも演技に必要な技術なのです。それは台本の読み方で決まる。つまり台本を読むのは技術がいるということです。

台本は読解力がいるとお考えになられる方もおられますが、台本は読解力よりも想像力が大切です。それに読解力で勝負するとどこか文学(文系)的な考えになり、捉え方によっては如何様にも出来るという「曖昧さ」が生まれてしまいます。ですが、台本を読むためには科学的(理系)な見方がどうしても必要で、一つの答えに導くからこそ、お客様との共感を得る確率も上がるし、自分の演技の精度も上がるのです。

演劇にはセオリーがあり、そのセオリーから物事を見ると、台本に書かれていない事柄が見えてくる。この時に必要なのが、作品を演劇的セオリーに基づいて想像してみることがとても大切で、ここに演技の答えがあるのです。ですから、読解力ではなく想像力と言い切っているのです。

今までの俳優養成講座でのワークはその流れをお教えしていた訳です。こればかりは論理的に理解しても実践しないとなかなか得られないもの。ですから、ここを意識してこれからも取り組んでいただければと思います。

この新聞をご覧いただきまして誠に有難うございます。途中「なんのこっちゃ❓」🤔という内容だったかと思いますが、講座生の方がご覧になられたら、その意図がよく分かるかと思いますので、もしも、この話にご関心がありましたら、是非俳優養成講座へお越し下さいね。きっと、今まで聞いたことのない話をしているかと思います😉

最後に申し上げたいのは、演技プランが一人前に立てられると稽古は格段に面白くなるということ。ですがこの技術を取得するには10年はかかります。この10年をいつの時期で習得したいかで、あなたの俳優人生は大きく変わることだと思います。

と言われてます。演劇を楽しくするのも見ている人が楽しくなって自分も楽しくなれば最高ですよね。どのジャンルもそうでしょうけど、その道に進む人のやり方を踏襲するからこそ、奥の深い楽しみがあるのです。そこの楽しみを味わいたい方は是非お越し下さいね。でも、10年かかりますよ😂……あ、私の場合はそれだけかかったということです😂

因みに、もやしは10日間ほどで育ちます‼

早く育ち栄養価も高い優等生。やはり自然の力は素晴らしいですね。私たちも自然な力を手に入れませんか。

動画で、稽古風景もアップしています。もやしの唄を知ってらっしゃる方でも、このシーンがどこのものかを言い当てるのは至難の業でしょう😂もしもお分かりいただければコメント欄で😎

公演情報はこちらから

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イカロスの森は客席が40席ほどですので要ご予約となります。

劇場でお待ちしております!

「もやし新聞 第1号 2025.12.25」への1件の返信

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