
演技者とは……❓
それは皆さまそれぞれにあるかと思います。私にも勿論ありますが、私の理想の演技者像の共通する部分がありまして、今回はこの事についてお話させていただければと思います。
私の理想の演技者像。それは、
舞台上で当に生きている人
であります。
嘘偽りのない姿で舞台に立っている。これが真の理想です。私たち演技者は、役の人物を演じるということをします。
役の人物になるには、色んなアプローチがあるかと思いますが、私のアプローチの仕方は、
役の人物を介して自分を表現する
というもの。これは、表現するのはあくまでも自分だということ。こう考えることで、自分の心の中で嘘偽りがないようにするのです。
役の人物が自分であるという感覚は、とても不思議な感覚ですが舞台だからこそ成立する不思議な空間なのです。
ここで自分が生きるということは沢山の人生を疑似体験しているような感覚なのです。
人は、相手を思いやる時、相手の身になって考えろと言いますよね。ですが、実際には相手の身になって考えることって難しいですよね。
ただ、役の場合ですと、その役と同じような行動をして、その上で動作を真似ると不思議と感情が後からついてくることがあるんですね。こういう現象を私たちは、
役の人物から教わる
というのですが、こうすることで、普段でも相手の身になって考えることは、実は簡単にできるのかもしれません。役者は常にメンタルリハーサルとして、実際の出来事を真似て何回も反復させて役の人物から感情を教えてもらうことをするのです。
とても不思議なことを言っていますが、芸術というものは自分の感覚を信じた時に、ある種の力を受け取ることが出来ます。その力とは、思わず勝手に体が動いてしまうことで、まるで、最初から自分の心の中で演技の答えが分かっていたかのような現象が起きるのです。
こういう現象が起きた時、役の人物を当に自分自身として表現できるような感覚が生まれるのです。とても不思議な現象ですが、これを経験すると、とても崇高なことをしているのだと感じることが出来るのです。人間の素晴らしい力を感じる。これが、今、当に生きているという感覚なのです。
毎日演技と向き合うこと。私は、若い時からそういう習慣を身につけ、今では、それが普通になっている。いつも演技のことを考えている。こういう姿勢が、より不思議な素晴らしい力を受け取る環境に結びついているのだと思います。
板の上で当に生きていたね‼
そのように観客の皆様からご感想をいただけたのでしたら、それは最高に幸せな誉め言葉ではないでしょうか。
あなたも自分のステージで、
今、当に生きてみませんか❓

さいとうつかさ
劇団ブルア 代表
劇団道化座に13年間所属し、日本各地、海外公演に数多く出演。道化座退団後はフリーで演出・俳優活動を行う。「社会に寄り添う演劇」を掲げ、2019年に劇団ブルアを設立。同劇団代表を務める。現在の演劇活動として、演出業、俳優業だけではなく、関西各地で演劇のワークショップで演技指導も行う。出演回数は400ステージを超え、実践的な演技指導が持ち味。またスタニスラフスキーシステムを独自にアレンジしたブルアメゾッドを作り、「身体動作から感情を誘発させる」演技術を展開し、リアリティーのある演技を追究。「役の人物を介して自分を表現する」「自己探求」などを念頭に演技向上を図り、ありのままの魅力的な自分で勝負する独特の演技コンセプトが好評を得ております。
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役者さんって「自分ではない誰か」を演じる事で
人生観が養われていくって本当なんですネ☆彡
さいとうさんは若い頃から役を演じるイメージが
出来ていてまさに「役者の鑑」ですな👍
コメントありがとうございます。
いえいえ、私はまだまだでございます。
芝居に触れることにより
自分が知らないことだらけだと
気づけたことがとても有り難いことだと
実感してます。