
今回は演劇のセオリーについてお話しさせていただきます。ここで言うセオリーとは「鉄則」のようなもの。これは演劇観を養うことでもあります。俳優養成講座でこのセオリーの話をする時に、必ず、言うことがあります。それが今回の表題「劇とは何ぞや?」ということ。この劇って辞書で調べると「はげしい」であったり「甚だしい」と出てくるのですが、演劇的に言いますとこれはズバリ「著しく変化する」という意味なのです。つまり、
演劇というのは著しく変化する様(さま)を演じる
ということなのです。著しく変化するポイントを「劇的」と言います。英語で言うとドラマチックということですね。このドラマチックなポイントはそこから境に著しく変化するということなので、その前後は対極にお見せするのがセオリーなのです。ハッピーエンドのお芝居なら、劇的より前は、絶対にアンハッピーな状態を作っておく。これが演劇的セオリーなのです。この「劇」という意言葉で、お芝居の作り方が簡単に分かりますでしょ。
他にもこういった演劇的セオリーは無数にあります。こういったセオリーは現場でしか教えていただけない知識。こういう知識を知った上で自分の演技プランを構築している人は舞台で毎回奇跡を起こします。こういう技術を身につけることはとても重要なのですが、今はロストテクノロジー化しつつあるように感じます。出来るだけ、早いうちからこういった技術に触れて欲しいのですね。

さいとうつかさ
劇団ブルア 代表
劇団道化座に13年間所属し、日本各地、海外公演に数多く出演。道化座退団後はフリーで演出・俳優活動を行う。「社会に寄り添う演劇」を掲げ、2019年に劇団ブルアを設立。同劇団代表を務める。現在の演劇活動として、演出業、俳優業だけではなく、関西各地で演劇のワークショップで演技指導も行う。出演回数は400ステージを超え、実践的な演技指導が持ち味。またスタニスラフスキーシステムを独自にアレンジしたブルアメゾッドを作り、「身体動作から感情を誘発させる」演技術を展開し、リアリティーのある演技を追究。「役の人物を介して自分を表現する」「自己探求」などを念頭に演技向上を図り、ありのままの魅力的な自分で勝負する独特の演技コンセプトが好評を得ております。
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