2.発声も感情を誘発させるスイッチになる

これは、身体動作をして感情を誘発させる演技法です。普段私たちは感情を出している人はいません。感情は湧き上がってくるものですから、感情表現するのであれば、当然湧き上がるようにしておかないとリアリティのある表現にはならないのです。

例えば、大きな声を出して話している人は自信があるように見えます。その人は自信があるから声が大きくなるのではなく、

声が大きいから自信が湧いてくる

という感覚でしょうか。ですので、自信のない人は思い切ってこれから大きな声で話してみて下さい。結構、粗療法ではあるのですが、この効果は抜群です‼

またもう一つ例を出すと、

習慣に先制挨拶で大きな声であいさつをする

するとこれだけで変わります。最初はどうしたんだと思われますが、段々と周りの人の見方は変わってきます。声もエネルギーです。。その見えない波動を感じれば、あなたを自信のある人として見てくれるようになります。その周りの目から自信が生まれ、より自然に声が大きくなるという相乗効果を生むのです。

この大きな声を出して感情を誘発させるスイッチは自分だけではなく周りにも深く影響を及ぼすのです。会社で事務をされている人がいまして、この発声のスイッチをお教えしたら、会社の人だけではなく訪問される方にも楽しく会話が出来るようになったと喜ばれました。簡単な話ですが、

人は黙ってると機嫌が悪く見える

ものなのですね。ですから笑顔で話しかける人の方が断然人は引き寄せられます。声が大きいと元気もいただけます。そのアドバイスをした方は、今では「何がええの?」と自動販売機の前で話をして、缶ジュースも奢ってもらえるのが日課になったとのことです(笑)

損得勘定で言うのも変ですが、笑顔で大きな声で話すことは相当な労力であることは確かです。しかし、その価値は缶ジュース以上のものだから、喜んで奢って下さるわけですよね。その喜んでいる姿が、自分のエネルギーとなってまた返ってきている。缶ジュースとエネルギーを両方手に入れてるんですよね(笑) それならば、それは最早労力とは言えないのではないでしょうか。「なにかしてあげたい」が自分を幸福にする。

その感情のスイッチが声であったりもするのです。その感情のスイッチが入る簡単な練習法をお伝えします。

高い声で、大きく、ゆっくり笑顔で話すこと

です。そこに先制挨拶が加われば効果てきめんですよ。これが出来ると、今度は声の質です。

響く声にすること

これが先ほど申し上げた、腹式での呼吸から出す発声です。この発声を使うと、印象が格段に良くなりエネルギーも違ってくるのですよ。

ポイントはハミングの途中で苦しいと思う時、その時の身体の動きを感覚で覚えて模倣すること

目安として、個人差はありますが、声を出していると、途中で途切れそうな(または転調する)時があります。その一瞬途切れたところからが腹式になっています。是非お試しくださいね。声の重要性が分かって頂ければ幸いです。

最後までご覧くださいまして、ありがとうございました。

劇団道化座に13年間所属し、日本各地、海外公演に数多く出演。道化座退団後はフリーで演出・俳優活動を行う。「社会に寄り添う演劇」を掲げ、2019年に劇団ブルアを設立。同劇団代表を務める。現在の演劇活動として、演出業、俳優業だけではなく、関西各地で演劇のワークショップで演技指導も行う。出演回数は400ステージを超え、実践的な演技指導が持ち味。またスタニスラフスキーシステムを独自にアレンジしたブルアメゾッドを作り、「身体動作から感情を誘発させる」演技術を展開し、リアリティーのある演技を追究。「役の人物を介して自分を表現する」「自己探求」などを念頭に演技向上を図り、ありのままの魅力的な自分で勝負する独特の演技コンセプトが好評を得ております。

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