演劇の練習の最も基本的な練習は何と言っても発声練習。
良い声で皆様にお届けすることは演劇のみならずとても大切なことです。
お届けするお相手に真心を。
そういう心で声を発せば、それは聞き手にとって心地の良い声となる。
こうした意識が思考となり、その思考から、感情が生まれ、感情から体に浸透し、その浸透した身体の状態から放つ声がエネルギーとなって周りに伝わるのです。
ですから、このような上質な声を出せるよう日々練習することに努めましょう。
では具体的な話に入ります。かなりヤバいですよ(笑)
大きな声よりも響く声
大きな劇場ですと当然ですが大きな声が必要になってきます。
ですが、大劇場でお芝居をしている時に、常に大きな声を出して表現しようという訳にはいきませんよね。
普通に話しているという表現をする時に大きな声を出していると前から観ていると違和感を感じますので、普通に話している感じの表現が求められます。
この時に重要なのが大きな声ではなく「響く声」。
この響く声を練習することで、客席からご覧いただいているお客様に届けるのです。
声は聞こえるのではなく、響くが理想
なのですね。
響く声から共振、共鳴に繋がり、心の底から共感をしていただけるようなイメージです。
ですから、この響く声の練習をしていく。
そして、この響く声というのは腹式呼吸からなる発声になるのですが、今回はこの腹式呼吸での発声練習の話のちょっと面白い話をさせていただきます。
この腹式呼吸は、普段の会話ではあまり使われていない呼吸なのです。
大抵は胸式呼吸からの発声、つまりどちらかというと浅い呼吸で普段は会話している場合が殆どです。
腹式呼吸は簡単に言うと吸うたびにお腹が前に膨れだす呼吸です。
横隔膜を下げるような感じで息を吸い込んでいるイメージですね。
普段はあまり息を大きく吸うということがないので、こうした腹式呼吸の練習をますしっかりとします。
次にこの呼吸から声を乗せるのですが、当然のながら、吐く時に声を乗せます。
この時に出来るだけ、息が吐き出ないように長く声を出すイメージをもって発声してみて下さい。
無理に大きな声を出さなくても良いです。
小さな声で十分です。
すると、段々息が続かなくなりちょっと苦しくなってきたかもと思う地点まで来ます。
それでも頑張って声を出し続けて下さい。
そうすると、ある時点で、声の出し方が切り替わるような感覚が出てきます。
外から見た場合、声が少し変調する、または少し声の音が途切れるような時がきます。
そして、ここが一番重要なのです。
この少し声が変調した後や、少し声が途切れた時の後からが、腹式呼吸による効率の良い声の出し方になっているのです
苦しい時に出ている残り少ない短い声なので、なかなか意識することが難しいのですが、私がこの練習指導時に「そこ!」と声をかけ、「そこから、腹式呼吸の本当の声の出し方なのですよ」と講座生の方々に意識付けさせているのですね。
すると、講座生の皆さんは「ここが、そうなんだ!」と認識する。
そして、これを何回か練習して、その腹式呼吸の本当の声の出している時の体の状態を意識してそれを覚えるのです。そして今度は、この体の状態を意識して、腹式呼吸の最初から発声する練習をするのです。
こうした簡単な練習で、実は腹式呼吸による発声が簡単に覚えられるのですよ。
この練習法で、代々の講座生全員が見違えるほど声が響くようになりました。
補足説明すると、人間は苦しくなると自動的に効率の良い体の動きに無意識に変化させる機能があるのです。
この無意識に変化させる効率の良い声の出し方を意識的に出すことによって、一番最適な響く声を獲得しているだけなのです。
最後にもう一つ素敵なことをお伝えします。
ここからが本当にヤバい話です(笑)
それは腹式呼吸による響く声は、
周りの人のみならず、自分にも強烈に響くということ
大きく響くと感情が誘発されやすくなるので、常に臨場感のある状態になることが出来るのです。
「今、生きてるなー!」っていう気持ちがリアリティーをもって感じることが出来るのです。
ですから、
自分の思考から生まれる感情がより鮮明に体に反映される
ということです。
ですから、常に良い言葉を発して、その言葉をリアルな感情に置き換えるためには、この腹式呼吸からなる声を利用することです。
そうすれば、自分の頭の中だけでなく身体全体がその良い言葉通りのイメージを感じるのです。
身体全体に良いイメージを感じれば、自分の体全体が共振して大きなエネルギーとなり、その大きなエネルギーが周りにも響く。そしてその響いたものが周りの人に深く影響されその同じ周波数の方々の心のと共鳴し、共感に至り、更なる強大なエネルギーが生まれていくのです。
私たちはこのようなエネルギー磁場の世界を見ることも感じることも出来ません。
しかし量子力学では、こういった話がすでに顕在化されているとのこと。
つまり科学において徐々に証明されつつある世界なのです。
私も最初は演技練習をしている時に、「思えば伝わる」というのは実に神秘的な効果を得ているものだなと思っていました。
ですが、この量子場の世界の話を聞いた時に、これは、神秘的なものではないんだということに段々と気づいてきました。
それからは、自分はいつも良いエネルギーを放出できる人になりたいと思って、このことに取り組んでおります。
心をネガティブにしているとそれもエネルギーとなって自分のみならず周りにも負の影響を与えるので、このことを意識的に取り組んでいただければ、よりハッピーな生活を自分の力で送ることが出来るのだと気がつかれることと思います。
共感いただければ、コメントやリプにヤバいと…書いてくださいね(笑)
さいとうつかさ
劇団ブルア 代表
劇団道化座に13年間所属し、日本各地、海外公演に数多く出演。道化座退団後はフリーで演出・俳優活動を行う。「社会に寄り添う演劇」を掲げ、2019年に劇団ブルアを設立。同劇団代表を務める。現在の演劇活動として、演出業、俳優業だけではなく、関西各地で演劇のワークショップで演技指導も行う。出演回数は400ステージを超え、実践的な演技指導が持ち味。またスタニスラフスキーシステムを独自にアレンジしたブルアメゾッドを作り、「身体動作から感情を誘発させる」演技術を展開し、リアリティーのある演技を追究。「役の人物を介して自分を表現する」「自己探求」などを念頭に演技向上を図り、ありのままの魅力的な自分で勝負する独特の演技コンセプトが好評を得ております。さらに、自身のBlog『さいとうつかさの演技力会話力Blog』は1000万PVを超え、多くの方々から支持を得ております。