「今日はなんか調子悪いな…」

これ明日から言わないでください(笑)

本当に調子が悪くなるということではありませんが、

調子が悪い方へ意識が行くので止めた方が良い

と思っています。

どうしてそう思うのか、今回はこのお話を。

人間は自分の意思で動いていると思っても、実はそうではなく自動的に動いていることの方が圧倒的に多いと思うのです。

人間の行動は無意識によるものが多く、日常動作の殆どが自動的に行われていますよね。

ご飯を食べる時に、箸を使う動作を「人差し指を動かして親指で支える」なんて意識して食べてたら

味が分からなくなりますよね(笑)

お茶碗持つ時もお椀を持つ時も作法を気にしている時以外はほぼ無意識に、持って食事をされているかと思います。

車の運転もそうですよね。「右に曲がろうとするとき、減速するからブレーキを踏んで、対向車が来ていないかを確認して、歩行者がいないかも同時に確認して、いけるとなったらハンドルを右に切って、向きが変わったらハンドルをもどして…」なんて考えてやっている人はいないですよね(笑)

人間はそうやって毎日の習慣をつけると動作が無意識下に行き、身体が勝手に動くようになっているのですよね。

そしてこれからが今回申し上げたいことなのですが、

私たちの演劇の練習では、

身体を動かして感情を誘発させる

というのがありまして、

感情の誘発を身体動作で起こしてみようという試みをしているのですね。

例えば、楽しい気持ちになる時は、「こんな感じの動作です」という練習をしていくと、本当に楽しい感情が湧き上がってくるような感覚を掴めるように練習しているのです。

これは「喜怒哀楽」全てにおいて練習します。正確な感覚は練習を相当重ねないと掴めませんが、ある程度練習していくと、

「感情が湧き起る時ってこんな感じだよな~」という実感めいたものは何回かやっていくうちに掴めてきます。

つまり、動作によって情動をコントロールしてそれを認識するという試みなのですね。

科学的根拠があるのかは不明です…(笑)

ただ、感情を起こす時の身体動作のメカニズムをそのまま模倣をし、それを反復練習していくと、本当に感情が誘発されるような感覚になるのです。

これはこのような演技練習をしている人であれば分かって頂けると思います。

こういう研究をされているところもあるかもしれませんが、

もしなければ、私たちの実際に行っている練習は少し特殊な方法で練習してますので、是非ご覧いただきたいですね(笑)

この練習を経験すると殆どの人が

「あーほんとだ」

と大して驚きはないのですが、感情が誘発されるような感覚が薄っすら分かるようになるのです。

薄っすらだから大した驚きではないのでしょうね(笑)

感覚は本当に繊細で、特に演技の感覚は本当に微妙なものが多く、

「これって今こう感じたけど…どうなんだろ??この感覚で良いのかな??」

っていうくらい分かり難いものが多いのです。

ただ、他のご職業でも、技というものはどれも微細なものが話で聞くと多いので、そうなのかもしれませんね。

ですので、

技を磨くためには感覚を研ぎ澄まして自分を信じること

だと思うのです。

この感覚だけは、人に確認できないのですね。

例えば、私たちの演劇の練習でこういう練習もあります。

深呼吸をする練習ですが、

呼吸を大きく吸って血が全身に流れているイメージ(広がっているようなイメージ)を想像して

吐く時に手足の先までしっかりと血液が行き渡っているイメージを想像する

これを何回も練習していくと、

本当に行き渡っているような感覚が得られて、

手足の先がじわーっと痺れるような感覚が出てくるのです。

手足が温かくなる感覚もあるので、冷え性の人にはこの練習は良いのかも知れませんね(笑)

ただ、この練習は結構危険なのです!

これは一人では絶対に行わないでください。

大きく吸って吐いての深呼吸だけであれば、まだ大丈夫ですが、イメージをしながら、3回くらいすると、めまいを起こして倒れる可能性がありますので、

必ず、専門のトレーナーの方についてもらって下さい。

関西の方でありましたら、私の講座でもしてますので、演劇に関心がなくても、「冷え性」など健康の為とか、「人生を楽しみたい」という方でもご参加いただけます。是非お越しください。

ただ、演劇ってやってみると本当に面白いですよ。

もし練習していくうちに演劇もしたいというのであれば、そのまま講座に参加して続けて下さいね(笑)

このように、演劇は普段の生活を快活にできる練習がたくさんあります。

心身を元気に過ごすためには、まず身体を動かして感情を誘発させるということを、是非ご経験されてみては如何でしょうか。

この練習をご経験されれば、こういうことが段々と分かってきます。

「ネガティブなことを言うと、自分の中で疲れた感覚が分かってきだす」

「考える癖が自分を作っているので、話す言葉の重要性が分かってくる」

「自分のことを分かっているつもりでも、本当は全然分かっていない」

身体を動かすことによって情動の感覚を養う練習をするとこれらのことが、体感できるようになります。

頭ではみんな分かっているのです。でも、これらはなかなか守れないのです。だから体験することが重要なのですね。

例えば、一つ例を出すと、

「たまには愚痴を言わないと」

という言葉ありますよね。

これ明日からやめて下さい(笑)

愚痴は言わないに越したことはありません。

不満が爆発するから言った方が良いという人いますよね。

それは、身体を動かして発散させる方法を得た方が、絶対にお得です。

何故なら、

愚痴って、本人はあまり言ってないと思っているかもしれませんが、周りは違いますよ(笑)

「あの人、口を開いたら、愚痴だよね…」って思われている人、意外に多いのです。

だから、愚痴を言わないと決めてた方が、周りから見て適度な愚痴で済むのでちょうど良いのです(笑)

ここまでは半分冗談ですが、ここからは真面目な話を。

「愚痴を言う」

このことがもうすでにネガティブな感情を誘発させている動作の源なのです。

つまり、そういう風に自分で無意識且つ自動的にしていると

心まで疲れてくるのです。

もし、心を朗らかにを無意識且つ自動的なものにしたいのであれば、

良い方向に目を向ける習慣をつけることが最も重要なのです。

悪い方向へ見ているから、気分も悪くなり、疲れる方向に進む。

良い方向に目を向ける習慣を身につけることです。

「そんなことを言ったって、毎回無理から良い方向に目なんか向けられない」

そう思われる方もいるかもしれません。

ただ、そのために、

身体を動かして感情を誘発させる練習をするのです。

私だって嫌なことはあります(笑)

でも、他の人よりは嫌なことはないかもしれません(笑)

嫌なことがあっても

「最悪のことを考えれば、まだましだな」

という口癖を身につけることが出来ました。

この口癖の話す動作から出来るだけ良い作用が働く情動に持っていってるのですね。

重要なのは、この良い作用が働く情動を少しでも感覚で捉えられたかで、この感覚が研ぎ澄まされたものでなければ良い感情に働いていると気がつかないのです。

こうすることで、私はこの言動で私の情動の感覚を人よりも鋭く受け止めて、切り替えを早くしているのだと思います。

その感覚を研ぎ澄ます練習が「身体を動かして感情を誘発させる」練習なのです。

これは、自分と良いコミュニケーションを図る練習です。

演技とは、人にも自分にも良いコミュニケーションを図る技術

なのです。

このことをより多くの方に知って頂ければ……

最後までご覧いただきましてありがとうございました。

劇団道化座に13年間所属し、日本各地、海外公演に数多く出演。道化座退団後はフリーで演出・俳優活動を行う。「社会に寄り添う演劇」を掲げ、2019年に劇団ブルアを設立。同劇団代表を務める。現在の演劇活動として、演出業、俳優業だけではなく、関西各地で演劇のワークショップで演技指導も行う。出演回数は400ステージを超え、実践的な演技指導が持ち味。またスタニスラフスキーシステムを独自にアレンジしたブルアメゾッドを作り、「身体動作から感情を誘発させる」演技術を展開し、リアリティーのある演技を追究。「役の人物を介して自分を表現する」「自己探求」などを念頭に演技向上を図り、ありのままの魅力的な自分で勝負する独特の演技コンセプトが好評を得ております。

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