1.技術は出来ないで当たり前

「あの人が出来て私に出来ないことはない」
「同じ人間だから」

そのような精神論的で自分に言い聞かせると、しんどくなる時があります。

例えば、ちょっと練習して、格闘家になれますでしょうか? F1ドライバーになれますでしょうか? おそらく、そのように考えていると誰もがこう思います。

仕事をなめてる

演技だってそうですよ。教えるこちらは簡単にしてますが、簡単にできると思われたら

悲しすぎます(号泣)

演技をお教えしている時に、教えたことが出来なくてとっても悔しがっている人がいると涼しい笑顔で

「そりゃ、簡単には出来ないものですよ」

と言って、出来ているところを褒めたりしているのですが、それでも悔しがっている顔をされてら…結構、傷つくのです(笑)

俳優の地位向上を図る運動家としては(笑)

う~ん。演技って簡単にできると思ってるのかな…???もし簡単に出来たなら…演技って……

「技」とは言わないじゃん…(笑)

そんなことを密かに思ってるんです。だから、これを見ている後輩さん! 出来ないからと言って悔しがらないでください(笑)こんなところで大ぴらにそんなことを言うなって感じですけど(笑) まぁ、冗談はさておき(笑) 技術を教えてもらうことは、どんなことにせよ難しいものなのです。

そしてこれがとっても大切なことですが、もし教わっている技術が簡単だと思ってしまうと、見えなくなるものがあるのです。それは何だと思います??

それは

楽しくなる種

です。そもそも、技術を簡単に見えてしまうということは、そう思う本人は

大したことのない技術

だと思ってるのですね。要するに簡単そうに見えるからそこまでの関心もなく、深く入ろうともしないのです。しかしですね。技術というのは本当はとっても凄いことであって、この技術というものをいったん持てば、

「使いたくて仕方がない」

というものになるのです。よく技術に溺れるというように悪い例で言われたりはしますが、それは本質からズレた偽(エセ)技術で、本当の技術は本質を見誤ることのないもので、本来は溺れることなどありえないのです。とても崇高なものなのです。

ズレる話をしていたら、話までズレてしまいましたが(笑) ズレたままで言うと(笑)

エセ技術でも溺れるほど使いたくなるのです(笑)

私のお師匠さんは「小手先の芝居をするな」とよく言われました。小手先の芝居というのは、ちょっと工夫を加えたエセ技術なのですね。「それが芝居だと思うなよ!」とよく戒められたものです。まぁ、よく戒められたということは、それだけ多用してたということに繋がりますが(笑) 

覚えたものは使いたくなる。試したくなるものです。ここまでくると「楽しくなる」ものなのです。技術は自分の感覚を大切にしなければいけませんので、

自分が「出来ない」と思えば出来なくなるのです

簡単にできると思ったが、いざやってみたら出来ないことが分かり、「出来ないことに目がいく」簡単にできると思うとこういう落とし穴があるんです。

だから、ここで秘策を(笑)

技術は出来ないが当たり前だから、「牛歩戦術でいつの間にかできているぞ」という戦術で、

「出来たことに目を向ける策」

で技術習得を試みるのです。このような経緯から、「技術は出来ないで当たり前」という意識を持とうということがいいたかったのです。それに…技術を教えている人の前で「簡単だ簡単だ」というような態度をとっていたら、教えてくれなくなりますよ(笑) 難しいですね!!ということで教えている人へのリスペクトにも繋がるのです(笑)

特に、俳優業は人を喜ばせるのが仕事ですから、人を喜ばせる練習にもなります(笑) 冷たい人にはそういうことしなくても良いですが……。誰でも彼でも喜ばせようという人になろうと推奨している訳ではありませんので(笑)

では次に、どのようにすれば「出来たところに目を向けられるのか」というお話をさせて頂きます。

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