相手を観察すれば何を考えているかが分かるというところまでお話しました。
次にこの「会話は後出しジャンケン」って・・・
どういうこと?(笑)
この説明を簡単にすると、相手の考えている手が分かれば『勝つ』ことも『負ける』ことも出来るという意味合いですね。
要するに会話というゲームをコントロールできるという事です。
そして、ここで付け加えておきたいのが
後出しジャンケンで『負ける』ことが重要。
ということです。
これは、相手に花を持たせるという考えと非常に近いですが、会話に勝つことよりも会話で相手を喜ばせる選択をしましょうという意味合いで使っています。
ここでお伝えしたいのは、会話は意思伝達のためだけではなく、相手の意思疎通のためにあるものです。人の会話には内容だけではなく、様々な感情が通い合っています。Eメールだと冷たく聞こえる内容でも、実際に合えば、全く冷たくはないと感じるのは会話が内容だけの情報だけはないことを証明しています。
その内容だけではない情報をあなたはどのようにして相手にお伝えしていると思いますか?
例えば、相手が間違ったことを話している時、あなたは会話の中でどのような対応をされますか?
- 間髪入れずその間違えを正す。指摘をする。
- 間違えを指摘しない。
- 間違えを間違えたと気づかせるようにする。
これだと、3.が一番親切ですよね。
1.は角が立ちますし、2.はトラブルのもとになりそうですよね。
この3.がここでいう「後だしジャンケンで負けること」なのです。
1.は後出しジャンケンで勝とうとしてます。後出しジャンケンで勝ってしまうと、相手はどう思いますか?
「ずるい!」
ってなりますよね。これは人情です(笑)
言い間違いを指摘されると嫌がる人は多いのですよ。
ここで注意したいのは、
「正しいことを言って何が悪い」って思わないようにすることです。
もし、仮にそう思っていたならば、その動機が無意識に現れて無意識に相手に伝わりますから、それは指摘ではなく『ケチをつけている』ように感じてしまって、それが原因で気まずくなったりするのです。
言葉にしていないからと言って、相手に伝わってないと思った大間違い。なのでここは本当に気をつけたいところなのです。
正しいことを言うのが正義だとか、そんな会話で裁判官みないな人は誰も望んでませんので(笑)
相手が、傷つかないようにサポートしてあげることが愛情だと思って接すれば、相手もその愛情に応えて、同じような対応で「私たちの会話」を育ててくれます。
そうやって会話を育てると、より関係が深まり、信頼できる仲へと発展するのですね。
「世の中は一人で生きているほうが楽」と思う人もいるかも知れませんが、自分が本当に困った時は、手を差し伸べてくれる人が多いと、感謝が出来て、苦しい中にも幸せを感じることが出来ます。
世の中は一人で生きている訳ではありません。また一人では生きていけません。何かの恩恵が必ずあります。それを仮に「自分は一人で生きているんだ」と考えてしまっていたならば、周りとの調和が崩れて、本当は身近にあるであろうさまざまな恩恵気がつかず受けられなくなり、そこで本当の孤立を学ぶことになるんです。
それも、その人の人生ですが、出来ることなら、様々な恩恵を感じて生きている方が幸せですので、そう思えるようになれるようにしたいですね。
後出しジャンケンはわざと負けるのではなく、グーを出すと分かれば、チョキを出して、その心遣いが大切なのだよというのを、相手にさりげなく気づかせる行動で、それは相手にとってもとても嬉しいことなので、こちらからもそういう気遣いでいてあげようとなるのです。
相手の考えていることが分かれば、相手を喜ばせることもできるし、怒らせることもできる。ここで徳を積めるかどうかが決まります。
最後のページで、人との会話を育てることが出来たらどういう事に繋がるのかというお話をします。