ここで演劇の話を。
上記の二人の女性の絵ですが、先ほど「恋愛関係」があると言いました。
ではまたまた問題です(笑)
この絵はどのような状況だと思いますか?
これ当てられた凄いです(笑)
正解は
飲み物を飲んでいる左の女性が意識を失って右の女性にもたれかけた状況なのですが…
そう言われたら分かりますでしょうか?
でも、
そうだとしたら・・・
少し気になることはありませんか?
普通、もし急に左の人が意識を失っていたならば、
右の人は動揺しますよね?
でも、この絵の感じだと…
それはないですよね。
ここで事件性をお感じなられたあなた!!
鋭い!!(笑)
右の女性は意識を失うのを『知ってた』のです。
恐ろしや~ですね・・・
よく見てくださいね。
「左の女性の持っているコーヒーカップを右の女性がそっと手に取ってこぼれないようにしてますよね」
このコーヒーカップが何とも怪しいのです(笑)
内容はこれくらいにして(笑)
この絵には、
「どこをどう見てもらうのか」という隠し技術がたくさんあります。
例えば、
コーヒーカップは右側の女性のほぼ正面で左側の女性が受けている
これは意識がなくなる時にまず気をつける点が
「カップを落とさない事」
ですので、意識がなくなりそうだという少し前でカップを取りにいってるのです。
次に、
右側の女性の倒れ込む首の角度
この首の角度は女優さんにもよりますが、顎を少し上げているということで“あること”を表現できているのです。
それは
「相手に身を委ねている」という表現です。意識がなくなっても、気持ちがそうさせたかのように見せています。
もしこの顎が少しでも下がっていると、
この二人の「恋愛関係」がなかなか表現できなかったでしょう。
このちょっとした動きなのですが、
これが俳優の技術なのです。
他にも
右の女性にもたくさんあるのですよ。
右手であったり、右肩の使い方、姿勢、目線と全てに意味があるのです。
しかし、またの機会に(笑)
これ以上脱線してはいけませんので(爆)
このように視覚に訴える技術を駆使してお客様に『伝わる表現』を提供してるのです。
『伝わる技術』はお客さんにこう感じてもらいたいということを突き詰めて考えた技術です。
「自分が表現することによってどうお客さんが感じるかまで責任を持つ」
ということです。
俳優の表現は伝えているだけでは意味がなく、演技を駆使して「お客様に満足してもらう」ことが目的なのです。
相手に伝わる表現こそ、一番相手に親切な行為
この『伝わる表現』をマスターすれば、相手とのコミュニケーションも交渉も上手くいくのです。
『相手が何を望んでいるのか』を考えれば、
それを提供することに努める。
仮にあなたが販売している商品に自信があるのであれば、商品の説明に明け暮れるのではなく、お客さんと仲良くなる会話に努めて、「この人になら何でも相談できる」という存在になればいいのです。
商品を購入すればどんな満足が待っているかを話してあげればいいのです。
お客さんが満足するためには、良いことばかりいってもいけません。
お客さんに商品を買うための決意を固めてもらうためには、ある程度の方向性を持たせることも時には必要でしょう。
その時は私たちと同じように
お客さんが「ハッピーエンド」になれる筋書きを考え、その結末をお客さんと共有してあげれば、きっと、「三方よし」となり、商いは上手くいくことになるでしょう。
- モノを売ろうとする行為は自分の要求を通そうとする行為。相手と仲良くなれば向こうから欲しいとなる。
- 相手の望んでいるものまで責任を持てば、相手は親身になって考えてくれているなと伝わる。
- 自分を受け入れれば、交渉術の指南本の真の意味が理解できて自分の武器になる。
その人の助けになりたいと思い、ありのままの自分を受け入れれば、そういうあなたを必要とする人が集まります。
「言い方」とか「伝え方」も大切ですが、まずは、調和を図る心掛けで、コミュニケーションを図れば必ず上手くいきますし、交渉事にも強くなります。
そして、このようなしっかりとした指針で取組むと、相手が自分にどのような意図で来られているかも分かってくるのです。
自分でしっかりと良い話かどうかが見極められるようになります。
そうして相手が信用できるのであれば心を開いて話をすれば、全てにおいてうまくいくのです。
交渉を成立させるのは自分のためでも相手のためでもあってほしい。
これが良い関係を築く道となるのです。
最後までご覧くださいましてありがとうございます。
さいとうつかさ
劇団ブルア 代表
劇団道化座に13年間所属し、日本各地、海外公演に数多く出演。道化座退団後はフリーで演出・俳優活動を行う。「社会に寄り添う演劇」を掲げ、2019年に劇団ブルアを設立。同劇団代表を務める。現在の演劇活動として、演出業、俳優業だけではなく、関西各地で演劇のワークショップで演技指導も行う。出演回数は400ステージを超え、実践的な演技指導が持ち味。またスタニスラフスキーシステムを独自にアレンジしたブルアメゾッドを作り、「身体動作から感情を誘発させる」演技術を展開し、リアリティーのある演技を追究。「役の人物を介して自分を表現する」「自己探求」などを念頭に演技向上を図り、ありのままの魅力的な自分で勝負する独特の演技コンセプトが好評を得ております。