演技って誰のためにする技術???

はい、また変なこと言ってますね・・・(笑) ただ・・・・・

この話は滅茶苦茶重要です‼

残念ながらプロの俳優でも中にはここをご存じない方がおられます。ここが分かっていないから不自然な演技になってしまっていると言っても過言ではありません。不自然な”演技”とは言うものの、実はそれは演技とは言えないもので、厳密に言うと「演じているだけに過ぎず技にはなっていない」のです。

しかしながらこのようなことを申し上げると、色々なところからお叱りを受けるかもしれません。このような主張は、ともすれば、これが正しく、これが間違っていると解釈されるのも当然あるかと思われます。ですから、このお話は演技向上を願う一演技指導者の一意見として、寛大なお心でご覧いただけることを切に願います。そうすれば、きっと、今回のこの話の意図が明確にご理解いただけて、これから目指される演技道の選択の一つに入れていただければ有難く存じます。

さて話は戻りますが、この滅茶苦茶重要なお話『演技って誰のためにする技術?』というお話ですが、おそらく大勢の方々は、観客に、つまり見ている人に対して行う技術だと認識されているのではないかと思われます。しかし、私の変な理論では(笑)・・・・・

演技は自分の為にする技術

ということをいつも申し上げております。俳優養成講座でも、演劇教室でも、ワークショップでもこのことを申し上げておりますので、

今までに教わったことがない演技法

とよく言われます。変わった演技法に見えるのですね。でもお教えしている私は真面目も真面目大真面目(笑) この演技法に確信を持っております。ステージ出演の場数だけは多い私がここまでに得た一つの答えです。

さて、ではなぜ、演技は自分の為にするものなのかということですが、それは、そう考えなければ『伝わるものにはならないから』ということなのです。

ちょっと分かり難いかも知れませんので、この話も致します。

演技表現というのは『伝わるもの』でなければならず、「伝えるもの」であってはならない

というお話です。どういうことかと言いますと、舞台の作品で俳優が演技を観客にお見せしようとすると、お客様にはその「お見せしようとする動機」が伝わってしまうのですね。本来、俳優は役の人物となって役の人物の動機が伝わるようにしなければいけませんので、このように俳優のお見せしようとする動機が伝わってしまうとどうなるかと言いますと・・・・・

観客は物語の世界に入っていけなくなる

のです。観客にとって目の前の人物は役の人物ではなく、役を演じている俳優にしか見えないので興ざめしてしまうのです。

動機というのは伝わりやすいのです。何故なら・・・・・

私たちの普段のコミュニケーションでもそうですが、話の内容よりも話を伝えている相手の動機に注意し意識が行くからです

言ってる内容は素晴らしいけど、なんか動機がいまいち信用できない・・・・・そういう胡散臭い方も世の中にはおられますよね(笑) そう感じてしまうと、言っている内容に共感できないので、良いコミュニケーションは図れていないと言えます。これをお芝居に置き換えてもそうです。言っている内容は役の人物の言葉であっても、その言葉を発している動機が役者の動機であれば、当然観客は違和感を覚えるものになるのですね。

この理屈が分かれば、演技はお客様にするものではないとがお分かりいただけるのではないでしょうか。

さてでは次の問題として、演技はお見せする人の為にするものではないとしたら、誰にするのかということですが、ここを私は先ほど申し上げました、自分の為にするということなのですね。この意味はどういう意味なのでしょうか。次の最後のページでお話しさせていただきます。

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