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短いつぶやきです。

セリフを話す時って、こういう点に注意した方が良いというお話をさせてたいだきます。

特に長ゼリフのこと。

演劇を始められて間もない方に多いのですが、例えば5行くらいの長ゼリフがあったとしたら、その5行分の話すことがあるとして話し方を構成することがよくあるんです。

こういう考えですと、途中の句読点の句点の終了時に、次に繋がるセリフが用意されているような読み方になる。

このようにセリフを話してしまうと

あらかじめ、言葉が用意されているような話し方

に聞こえたりするのです。

勿論、役の人物が予め言葉を用意していた場合は良いのですが、私たちの普段の会話はけっしてそんな話し方ばかりではありませんよね。

話している途中で、例えば、相手の顔色を見て、話し方を変えたりもするので、付け足しつけたしの話し方になる場合の方が多いのではないでしょうか。

つまり、一行分くらいのセリフを話すつもりが、いつの間にか5行くらいになってしまったという話し方が良いのですね。

これが何故良いのか?

話し方を決めて、5行を起承転結で話せば、途中くらいから何を言わんとするのか、その時点で分かってしまう恐れがある。

5行とまでは勿論分からないですが、まだセリフは続くのだろうなというのが見えるのですね。

そうなると見ているお客様は、二つのことを思ったりします。

一つは、言わんとすることが分かった時点で、後の話しているセリフは待ち間に感じる。

二つ目はセリフで気持ちの説明をしているように感じる。

こういうことを感じる芝居はとても長く感じるのです。

元来、セリフというのは、話している内容や気持ちを説明するのではなく、セリフを話すことで動機を表わすものです。

ですので、動機に合わせた話し方をするのがベターなのです。

先の読めない話し方をするからお客様は情報を取ろうとより汲み取る姿勢になり、集中度が増す。結果「伝わりやすい」表現にもなるのです。

こうしたこともお客様へのホスピタリティーなのですね。

劇団道化座に13年間所属し、日本各地、海外公演に数多く出演。道化座退団後はフリーで演出・俳優活動を行う。「社会に寄り添う演劇」を掲げ、2019年に劇団ブルアを設立。同劇団代表を務める。現在の演劇活動として、演出業、俳優業だけではなく、関西各地で演劇のワークショップで演技指導も行う。出演回数は400ステージを超え、実践的な演技指導が持ち味。またスタニスラフスキーシステムを独自にアレンジしたブルアメゾッドを作り、「身体動作から感情を誘発させる」演技術を展開し、リアリティーのある演技を追究。「役の人物を介して自分を表現する」「自己探求」などを念頭に演技向上を図り、ありのままの魅力的な自分で勝負する独特の演技コンセプトが好評を得ております。さらに、自身のBlog『さいとうつかさの演技力会話力Blog』は1000万PVを超え、多くの方々から支持を得ております。

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