1.共感していただく演技を目指す

どうすれば、お客様は共感していただけるのか?・・・

演劇製作者は基本的にこのことが分かっていなければ当然ですが失格であります。何故なら、演劇作品はお客様に共感頂けて劇場を一体化させることが目的だからであります。

劇場の一体化は、私たち人間一人一人の中に繋がる集合的無意識に届き、心の浄化(カタルシス)を引き起こし、充足時間を提供することに繋がるからです。勿論、エンターテイメントとして「面白い」や「刺激的」、「衝撃的」などの感動で心が満足することもありますが、それよりもその本能的部分の満たす役割が、こういう劇場空間で楽しむ醍醐味であると言えます。

演劇だけではなく、音楽などのコンサートなども、会場の観客と演奏者が一体になって盛り上がっているのは、当にそう言うことなのであります。こういう一体感はDVDなど映像では中々味わえないものですよね。生の最大の魅力なのですね。

つまりお客様を満足以上のものを提供するには、まずお客様に共感いただき、演劇作品の物語の中に誘うことが演劇製作者にとって最重要なのですね。

その物語の中に入っていただくための誘引方法の一つが演技であって、演技は物語に入っていただくための一番重要なツールだと言えるのです。

ここに少しでも臨場感を失うような、物語の内容とは違った演技のエッセンスを入れてしまえば、当に興ざめで、一瞬にして現実に引き戻してしまうことにもなりかねないので、演技の良し悪しで、物語の世界に行けたり行けなったりするわけなのです。

要するに物語に誘うためにはどうしても演技の失敗は許されないのです。

このように聞くと、演技はとても重要なものだとご理解いただけるのではないでしょうか?

そうなのです。本来の俳優はそういうとても重要なポストを担っているのです。感情を入れたら演技が出来るというあさはかな考え方ではいけないのです(笑)

このことはどなたさまも、おそらく認識なさっておられることだとは思います。しかし、では実際にそれを踏まえた演技練習をしているのかと言われれば・・・そこが難しいところなのです(笑)

上記の共感していただく演技が何故重要かはご理解いただけたと思います。では、お客様に共感いただくためにはまず何を表現すれば良いのか?ということですが、ここで、重要なのが臨場感になります。次に臨場感についてお話しさせていただきます。

LINEで送る
Pocket
このエントリーを Google ブックマーク に追加
LinkedIn にシェア

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です