世の中で言われている事って・・・・・本当かな????って思うことが多い。

お芝居をしていると動機を追う習慣が出来てしまって、言っている内容よりも、

どうしてこの人がこんなことを言ってるのかな??

って思うようになるんですよね。これは職業病みたいなものですかね(笑)

昔、話の流れを酌むには、お金の流れを追えとよく言われてましたよね。それと同じで、人間の動機もどうしてそう思ったかを考えていけば、源流に辿り着くものなのです。ですから、今起きている事だけに注視することはしなくなりました。それよりもどうしてこういうことを言っているのか、どうして今こういうことが起きているのかということは、大体、その源流をたどる作業を勝手にしてます。これは演劇をする上でとても大切なことなのです。またこの大切さが分からなければ、途中で芝居の世界から離れることにもなるでしょう。

さて、この『本当かな・・・・・?』って思うこと。あまり物事を疑わずに過ごしている方が意外に多いように思います。

疑わない心

ですから、素晴らしいことではあるのですけど、もう一方から見るとそれはとても危険なことだと思います。

何故なら、そこに付け込む人も当然現れます。世の中良い人ばかりではありませんし、世の中には当然騙そうとする人もいるのです。それが個人であったり、集団であったり様々です。もし、それが財産や生命の危険があるのでしたら、ここで言う「疑わない心」は、時に、軽率な「考え」ともなりかねないのです。

ただ、私たちはどうしてか、なかなか外に目を向けようとはしない。世の中の問題に関心がいかないということがあります。

これは世の中の問題に関心がいかない私たちが悪いと言っているわけではありません。

そうではなく、私たちはいつの間にか周りに関心がいかないような考え方にさせられていると思えてならないのです。

そうなってしまった原因の一つは、

自分に足りないところを補う習慣

ではないかと思うのです。周りから見れば十分素敵であるにもかかわらず、まだまだ足りないと頑張る人は多いですよね。自分磨きの出来る素敵な人だとは思いますが、そうして、いつも自分にばかり目が行くと、時にしんどくはならないかな?・・と思うこともあるわけです。こうなれば幸せをなかなか感じることはできません。

「要自己改善」のような画一化された教育を受けると、こういう傾向になるのではないでないか?・・・・・私はそう思えてならないのです。

そうでなく、どうして「今の自分で良いよ」という個性を伸ばす教育にもっと目がいかないのだろうと思うわけです。とは言っても、今の教育の現状では難しいのかもしれませんが・・・・・。

もしも今の自分に満足するようになれたならば・・・・というお話をすると、、自分に満足が行くと、周りに目が行くものですよね。子どもだってそうです。お気に入りのおもちゃで遊んでいてやがてそれに満足したら、今度は遊び相手にそのおもちゃを渡してあげるものだと思います。満足している状態は周りに目が行きやすいのですよね。

ですから、現状に満足して、問題が出れば、それを直さなければと考えるのではなく、直したいと考えるようになれれば良いと思うのです。

政治家が、選挙カーに乗って演説をしている時、「今の社会問題解決を私にやらせて下さい」というのを耳にしますが、それが本来のことだと思うのです。要は私たち有権者がそれに関心があれば良いのですが・・・・。

もし、現状に満足して、周りに関心を寄せることが出来るようになれば、色々なものが見えてくると同時に、色々な問題も見えてくるのだと思います。その多くの問題は実は私たちにも密接にかかわっていて、今まで気がつかなかっただけということが本当に多いのです。風が吹けば桶屋が儲かるという理屈ですね。

そういうことは、言っている内容よりも言っている人の動機を考えた方が社会の流れが掴みやすいと思うのです。

今の国の流れ。世界情勢。食の問題。全て私たちに密接にかかわってくる問題であるのにもかかわらず、どうしてそこに関心を寄せられないか・・・・・。

お芝居では、「どうしてこんなことになってしまったのか・・・・いつの間にかこうなってしまった。」という内容の作品が多い。

歴史から学ぶこと。ただ、歴史は繰り返されるという言葉もある。

これから世の中はどうなるのか・・・?

お演劇オヤジのつぶやきでした。

劇団道化座に13年間所属し、日本各地、海外公演に数多く出演。道化座退団後はフリーで演出・俳優活動を行う。「社会に寄り添う演劇」を掲げ、2019年に劇団ブルアを設立。同劇団代表を務める。現在の演劇活動として、演出業、俳優業だけではなく、関西各地で演劇のワークショップで演技指導も行う。出演回数は400ステージを超え、実践的な演技指導が持ち味。またスタニスラフスキーシステムを独自にアレンジしたブルアメゾッドを作り、「身体動作から感情を誘発させる」演技術を展開し、リアリティーのある演技を追究。「役の人物を介して自分を表現する」「自己探求」などを念頭に演技向上を図り、ありのままの魅力的な自分で勝負する独特の演技コンセプトが好評を得ております。

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