今回は演劇の話をさせて頂きます。先日、若い女の子から演技の相談を受けました。

ここの台詞をどう話して良いかが分からないのですけどどうすれば良いですか?

その答えに

自分で考えなさい

といったんは門前払いをしましたが(笑) でも、セリフに対しての考え方だけはやっぱりお教えしてあげた方が良いかなと思いましたので、次のようにお伝えさせてもらいました。

台詞はね、例えば台本に自分の役の台詞が4行あるとするじゃない?お芝居の展開がお客さんにバレてしまう役者は、そのセリフを4行の構成で読み方を決めてくるの。するとお客さんはそのセリフを話している途中で「このセリフはまだまだ続くんだな」と無意識に感じて、その時点で聞く集中が削がれるんだよ。

このように申し上げました。これはどういうことかというと、リアルでの私たちの会話は、相手がどのくらいのボリュームで話をするかは分からないですよね。返事だけで終わる時もあるだろうし、すっごくエキサイトして長~い話をしてしまう場合だってありますよね。つまり、

話し出す時に、セリフのように4行でまとめようと思って言葉を発している訳ではない

ということなのです。まぁ、当たり前のことを言ってますね(笑)

例えば、仮にセリフが4行であっても、相手の理解が早ければ、一行で終わったりするような言葉にしないといけないのですね。一行では理解がされていない場合。ないしは言葉が足りないということがあれば、言葉を付け足し付け足ししていくのであって、それが結果4行の台詞になってしまったという感じが良いのです。それに、4行ある構成で台詞を話すということは・・・

聞き手の相手の聞いている雰囲気を無視して話す可能性もあるということ

にもつながるのです。

ですので、言い方を決める話し方はいけないのです。受け手の相手の反応をしっかりと見て、「こう話そう」という普段と同じような会話の感覚で台詞を話さないといけないのですね。

台詞を忘れる作業をする

「今初めて聞きました」

「今から何を言うか分からない」

誰が話すかもわからないし、

何か話しそうで話さない。

こういったものであれば、お客さんは次の展開が全く読めないので、集中して聞けるのですね。展開を読ませないように演技プランを立てるとも言いますが、台詞一つにしても、こういった次にどんな言葉が出るか予想だに出来ない台詞の発し方が求められるんですね。こういうことを念頭に置いて日々練習すれば、鮮やかなセリフを話すことが出来るようになるのです。

最後までご覧くださいましてありがとうございました。

さいとうつかさ

Blue Earth Theater Company 代表

劇団道化座に14年間所属し日本全国、海外で公演。現在は役者の勉強会「いわゆるえんげきの会」と当劇団の代表を務めております。ステージ出演回数は400回以上と実践で培った演出と演技指導が強み。劇団以外でも、演技指導、演劇ワークショップを行なう。スタニスラフスキーシステムを独自にアレンジした実践型メゾッド『ゆるえんメソッド』は今までにはない演技練習法として支持を得ております。特長は「ダメ出しではなく褒め出し」「自分を変えないで本来の自分をみつける」という考えで演技向上だけではなく「自信を深める」演技レッスンを行なってます。

タップするとブルアの俳優養成講座の詳細ページへ

LINEで送る
Pocket
このエントリーを Google ブックマーク に追加
LinkedIn にシェア

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です