この話は俳優養成の講座でお話ししているものですが、普段の生活にも十分生かしていける方法ですので、是非ご活用いただければと思います。例えば・・・

気分が沈んでいる時

この方法を使うと効果は抜群です。人間の感情は身体動作から影響されていることが多く、気持ちが沈んでいる時は、下ばかりみて視線を落としたり、猫背のような前屈みの姿勢でいたり、息が浅かったり、声が低かったりしてる場合が多いのです。

ですので、このこれらの逆の動きをすれば、気持ちが上がっていくということになります。

つまり気持ちを上げるには、下を見ず常に周りを見渡して、背筋を伸ばして、息を深く吸い込み、声を高くすると良いのです

嘘みたいなお話ですが、これは本当にそうなります。ただ、即効性はないので、何回もこういう動きをしていくうちに、気持ちのコントロールが徐々に出来るようになるので、習慣化することが求められます。

習慣化して無意識の領域にまで落とし込むことによって、常に気持ちを上げる動作になるので、自分だけでなく自分の周りにもプラスの作用が働くのです。

お芝居でもこれは言えまして、例えば、共演者の調子を上げようとする時に、その共演者との台詞のやり取り、つまり、会話中に、深く息を吸い込み、少し大きめの高い声で話しかけてみると、相手も同じように深い息で少し大きめの高い声で応じるようになる。

その結果、この動作をすると気持ちが上がることになるので、調子が出てくるようになるのです。この時のポイントが・・・

動作を大きくする

ということなのです。気分が沈みがちであるならば、気分を上げる動作を大きくやればやるほど、調子が出てきて、気分が上がりやすくなるのです。一番簡単な大きな動作は息です。息をたっぷり使って話をすると、相手も息をたっぷり使って話をするようになります。そしてここがとても大事なことですが、普段の私たちは楽しいことを話している時って、

信じられないほどの息を吸って信じられないほど息を吐いている

このような息で話をしていたら、当然心は踊ります。

何故、普段の私たちは楽しいことを話している時に信じられない息を吸って吐いていることに気がつかないのか?それは無意識にその息をしているからなのです。思いっきり息を吸おうとか考えていないですよね。

それは、相手の話の内で自分の心が動いて、その心が動く時の初動が「息を吸う」ということなのですね。つまり話しをしようとして大きく息を吸っているのではなく、気持ちが動いた時に大きく息を吸っているのです。気持ちが動いている時に息を吸っていると認識している人は少ないですよね。だから、普段私たちは、楽しい会話で信じられないくらい息を吸って吐いてることに気がついていないのです。気持ちが動かないと息はあまりしなくなります。これが習慣になってしまうと、何を見ても心が動かなくなるかもしれません。ですからそういう場合は、何かを見て驚く時に息を大きく吸うという意識をされてみては如何でしょうか?身体動作から心を動かしてみるのです。そうするとみるみるうちの自分の感覚が変化していきますよ。

如何でしょうか?

これを私たちは、身体動作から感情を誘発すると言っております。このように、演技の練習で感情をコントロールが出来るようになるのですよ。最初は少しバカバカしく感じるかもしれませんが、まずこれを意識していると、普段楽しそうに話をしている人を見ると、

と気がつくことになり、この話の信憑性が増すことなるでしょう(笑) その時は是非お試し下さいね。他にも身振り手振りを大きくすると、気分を上がります。調子づいている人の話し方は、とにかくよく手が動くのですよ(笑) ですので、この身振り手振りも取り入れると面白いですよ。明るく過ごす生活を応援します。

最後までご覧いただきましてありがとうございました。

劇団道化座に13年間所属し、日本各地、海外公演に数多く出演。道化座退団後はフリーで演出・俳優活動を行う。「社会に寄り添う演劇」を掲げ、2019年に劇団ブルアを設立。同劇団代表を務める。現在の演劇活動として、演出業、俳優業だけではなく、関西各地で演劇のワークショップで演技指導も行う。出演回数は400ステージを超え、実践的な演技指導が持ち味。またスタニスラフスキーシステムを独自にアレンジしたブルアメゾッドを作り、「身体動作から感情を誘発させる」演技術を展開し、リアリティーのある演技を追究。「役の人物を介して自分を表現する」「自己探求」などを念頭に演技向上を図り、ありのままの魅力的な自分で勝負する独特の演技コンセプトが好評を得ております。

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