2. 正の感情の作り方は準備が決め手

今日一日が始まる時に、一日の予定を頭に入れる。この時に「ああ、嫌だな~」となれば、間違いなく嫌なことが起きます。それよりも、腹をくくって「こうしたら面白いだろうな~」というような楽しみに目を向けるように習慣付けてみては如何でしょうか。ただ、「こんなことしたって変わるわけがない」と思うかもしれません。バカバカしいことと思えるかもしれません。しかし、良いことに目を向ける習慣は、他にも色んな意味で役立ちます。ですので、これは自分の万能ツールだと思って、一番身につけた方が良いスキルだと思っています。

良いことに目が行くと、気分が良くなるのは事実です。自分の足りない部分を補おうとする人は、悪い部分に目が行きがちですが、その悪い方に目が行っていることで自分がどれだけ被害を受けているのかが分かっていないのです。悪い方向に目が行く人は恐怖で動かされている習慣が身につくので、恐怖を感じないといつまでも動くということをしないのです。それよりも良い方に目を向けて「やってみたい」となって動ける習慣を身につけた方が断然良いのです。

行動の早い人は当にこれで、自分で良いと思ったらとりあえずやってみる。こういう人は手数が多いから当然成功しやすくなりますよね。一方、恐怖から動く人は、仮に良いと思っても「差し迫ったもの」ではないので、やらないのですね。こういう人は手数が少ないから成功しにくいのは当たり前のことだと思います。危険と感じたら行動するので、この行動は当然動かされている感があるので、とても不快になるのですね。「どうしてこんなことさせられなきゃいけないんだ」と嘆いているのが目に浮かびます(笑)もちろん、良いところに目が行く人も危険が生じたら当然動かされてしまうのですが、それでも考え方が少し違って、

「今自分が動かされていることは今後こういうことになる可能性があるのだから、きっちり押さえておこう」

と、動かされた運命をも受け入れて、次に繋げようという意識が働きやすくなるのです。つまり、動かされていても、最終的には自分で動いているのです。これは…

悪い中にも、良い部分を見出そうとしている

という行動になっているのですね。ここまでくると「良いものに目を向ける達人」です。この良いものに目を向ける達人になれば、良い感情を保ちやすくなるのです。良いことに目を向ける人はそれだけたくさんのメリットがあるのです。それに、良いことに目を向けることが出来ると、色んな恩恵に気がつくことが出来るようになります。

感謝できる人ほど楽しんで生きることが出来ている

何事にも素晴らしいと見出し、感謝の念がたえない人は、周りからも愛されやすくなるので、成長しやすい環境を自ら作り出していると言えます。いつもありがとうの気持ちで臨めるなら、そのご恩返しがしたいと自分の行動もあらたまるものです。その自分のあらたまった行動が、周りの方々の心に誠意として伝わり、良い関係が築ける。こういう気持ちの良い連鎖が続くのですね。

感謝の気持ちが正の感情を作っている

ということなのです。あなたには感謝することが沢山ありますか?もし、あまりないとお感じになられているならば、感謝することを探し出してみて下さい。良いことに目を向ければ、きっと見つかります。

感情をコントロールできる考え方は身につきました。

では最後にこれです。演技の手法で使う練習法。

感謝の気持ちを心に思いっきり息を吸う

これを練習してみて下さい。ただし、あまりやり過ぎると頭がクラクラするので、適度でお願いします。これをやっていけば、やがて気がつくことがあると思うのです。身体全体に痺れるような、血が騒ぐようなものを感じるようになる。これは、

ああ、生きているんだな~

と実感できている瞬間です。この瞬間がたまらなく気持ち良いのです。息は、感情のスイッチです。人は何かモノを考えている時は、息が止まります。閃いたら息を吸います。その吸った時の感覚が、怒りの場合だと、怒りのガスが充満していくように体に取り込み方をしていて、一気に爆発させて息を出す感じになり、喜びの場合だと、とめどなく幸せな気持ちで満ち溢れるような身体の取り込み方をして、その余韻を味わう様に息を出すのです。この呼吸で、感情のスイッチが入っているのです。

ですので、良い感情のスイッチを入れ、悪い感情のスイッチを入れないようすれば、感情のコントロールは出来るようになります。怒りの場合は息をため込まず、普通通りに呼吸を心掛け、喜びは、逆に幸せがあふれんばかり大きく息を吸い込んでみる。

このように身体を動かして感情を誘発させることが出来るようになると、気持ちを頭で切り替えるだけではなく、身体でも切り替えることが出来るようになるので感情コントロールが一段と効くようになるのです。

「身体を動かして感情を誘発させる」演技術

これは普段でも生かせられるスゴ技です。気分が優れない時に、こういう技術を使って感情をコントロールできると常に、機嫌の良い自分が作りやすくなります。このように、不測の事態が起きても、「こういう風に対処する」というような前もっての準備があれば、気分を害することは少なく済みますので、感情のコントロールもしやすくなります。そして、もし仮に負の感情に苛まれたとしても、息から感情をコントロールさせる技術も知れば、感情制御能力は格段に上がります。

嘘のような話に聞こえるかもしれませんが、是非お試し頂ければと思います。

最後までご覧いただきまして、誠に有難うございました。

劇団道化座に13年間所属し、日本各地、海外公演に数多く出演。道化座退団後はフリーで演出・俳優活動を行う。「社会に寄り添う演劇」を掲げ、2019年に劇団ブルアを設立。同劇団代表を務める。現在の演劇活動として、演出業、俳優業だけではなく、関西各地で演劇のワークショップで演技指導も行う。出演回数は400ステージを超え、実践的な演技指導が持ち味。またスタニスラフスキーシステムを独自にアレンジしたブルアメゾッドを作り、「身体動作から感情を誘発させる」演技術を展開し、リアリティーのある演技を追究。「役の人物を介して自分を表現する」「自己探求」などを念頭に演技向上を図り、ありのままの魅力的な自分で勝負する独特の演技コンセプトが好評を得ております。

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