身体を動かして感情を誘発させる

私たちの演劇の練習では、無意識の動作を意識化するという取組みをしてます。

これは、感情がどのように湧きあがるのかを知るために、感情が湧きあがる動作を模倣しているのですが、この模倣を積み重ねるとあることに気がつきます。

それが、感情を動かす動機になるものはないはずなのにその感情を誘発する身体の動きを忠実に模倣するだけで、あたかもそういう気持ちになったかのような感情が湧きあがってくるというものです。

これは一定の動きをすると、まるでプログラミングされたかのような思考回路になるのではと思ったほどです。

悲しくないのに涙が出てきそうになる。そうするとその涙を堪えようとなる。この時に悲しみが現れるような感覚があるのです。

にわかに信じがたい話ですよね。

この練習で言えることは、感情を引き起こす動作というのがあって、その動作を模倣すると実際にそういう気持ちになってくる。

さらにそれだけではなく、その身体の動きを模倣することによって、拍車がかかり更なる大きな感情へと発展するという事です。

少し難しい話になりましたね。

要は、感情を湧き起こさせる身体動作があるという事です。

そして、ここでお伝えしたいことは、

『この練習方法を良い風に使って自分の感情をコントロールしてみませんか?」

ということです。

例えば、幸せな気分になりたいのであれば、その幸せな感情が湧きあがる時の動作をしてみれば、幸せの感情を湧き出させる技術が身につくようになる。

まるで信じがたいはなしです。

それでも私はこれを真剣に取り組んでいます。

この幸せな感情を湧き立たせる方法は、とっても簡単です。自分の顔を鏡で見て、大きく息を吸いながら笑顔になることです。

こうすることにより笑顔になれる感情が湧きあがるのです。

しかし、ここで誰もが最初の難関にぶつかります。

「こんなのバカバカしくてやってられない」

というものです。

そうです。それはとても自然な想いです。

それでもやるのです(笑)

どんな技術でもそうですが、やる前から理解できることはありません。やってみて、続けるとどうなるかを学ぶことが大切ですから、「心に刃ものを押し当てる」忍の気持ちでやっていただければと思います。

このような自分の感覚を大切にすれば、測らずしもピッタリの大きさを作れる職人のように研ぎ澄まされるものです。

私たち演技者は、感情を使って表現する職人ですので、このように自分の感覚を日々研鑚してます。

自分の手足の隅々まで血が通っているのが分かるか、手足が温かくなるのを感じているか、こういう事は意識して初めて感じとれるもの。

生きているという実感に繋がる。

これはヨガがマインドフルネスでもこれは共通しているものだと思います。

このような感覚を大切にすることにより、自分の感情をコントロールすることは、今では知られるようになりましたが、演劇でもそれが出来るのです。

さて最後に「いつも楽しく会話する方法」の話をします。

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