無意識の感覚に訴えた方が伝わりやすい

舞台人でもあまり知らないことをお教えします。

お客さんには台詞よりも動作の方が伝わりやすい

それはどうしてか?

台詞よりも動作の方が想像の余地がたくさんあるからです。

台詞は明確に理解できて判断できるが動作は明確に理解しても判断が出来ない。

つまり動作の方が判断するために様々な想像を働かせるのです。

動作を見て「おそらくこうしたいのでしょうね」と想像までは出来る。

言葉を聞いて「ほらやっぱりね」とそこで初めて明確な判断が出来る。

これを言葉だけで表現してしまうと答えだけをいうことになるので、

想像の余地がなくなるのです。

お芝居はですね、

こうなるんじゃないかな、こうなるんじゃないかな、こうなるんじゃないかな

と確証を得ず見ていく方が絶対に面白いのです。

だから、明確な答えを出すよりも、想像の余地を残しておきながら話を展開させていかなければいけないのです。

台詞は理解し判断までできますが、動作は理解までは出来るが判断は出来ない。

だから、判断するために色んな情報を得ようとします。判断し終えると情報は必要なくなるので、得ようとしなくなります。

こういうことはありませんでしょうか?

普段の会話でも、相手の言っている内容が理解出来た時点で、その後の話は聞けなくなってしまっているってこと。

細かな説明をする時は、順を追って説明した方が相手にとって理解しやすいのは、こうなるとこう。こうなるとこう。と一つ一つ謎を解き明かすような話し方をすると最後まで聞いてもらえる確率が上がるのですよ。

ビジネスコミュニケーションで報告する際は、結論からとまず話せと言われますが、この時に「どうしてそうなったの?」というような話し方をすると、順を追って説明をしなくても相手が自動的に話を聞いてくれる展開になることもあるでのすよ。

これは話の中に何故を作って相手に関心を寄せてもらう方法です。しかしこれは、少し難しい話なりますので、また次の機会に順を追ってお話しできればと思います。

このように、相手が関心を寄せるような表現をすれば、理解を深めようとしてくださるので、伝わりやすくなるのです。

動作の表現は無意識の感覚でキャッチしています。無意識なので、自分では意識していませんが、何か気になるものがあるようなないようなとなるわけです。

そういう何かを感じている感覚に訴えるような表現をすると『伝わりやすくなる』

それは、言葉には代えがたい、素晴らしいものが伝わっているのです。

人間は言葉よりも心で理解出来たものの方がどうやら伝わりやすいようですね。

最後までご覧くださいましてありがとうございました。

劇団道化座に13年間所属し、日本各地、海外公演に数多く出演。道化座退団後はフリーで演出・俳優活動を行う。「社会に寄り添う演劇」を掲げ、2019年に劇団ブルアを設立。同劇団代表を務める。現在の演劇活動として、演出業、俳優業だけではなく、関西各地で演劇のワークショップで演技指導も行う。出演回数は400ステージを超え、実践的な演技指導が持ち味。またスタニスラフスキーシステムを独自にアレンジしたブルアメゾッドを作り、「身体動作から感情を誘発させる」演技術を展開し、リアリティーのある演技を追究。「役の人物を介して自分を表現する」「自己探求」などを念頭に演技向上を図り、ありのままの魅力的な自分で勝負する独特の演技コンセプトが好評を得ております。

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