今回の話は、あまりお教えしたくないことかもしれません(笑)

それくらい自分を優位に持っていく方法だと私は思っています。

今回の記事をご覧になられている方はラッキーです(笑)

きっと他にも応用が利くと思いますので、是非お試し下さい。

その名も

「稽古が楽しくなる方法」

です。

稽古を楽しくするにはこの二つを行うことをお薦めします。

一つ目は簡単です。

読み合わせの段階でセリフを入れてくること

これをしてくると殆どの稽古場では一目置かれます(笑)

レベルの低いことを言うかもしれませんが、

読み合わせの段階でセリフを入れてくると、

相当気合が入ってるなという印象を与えるからです。

人は本当に第一印象が肝心で、最初に稽古の初日から台詞入れてくるのは当たり前だよという感じで稽古に臨めば、普通に

この人凄いね‼

って驚かれるのですね。

こういうインパクトは、「この人は稽古をしっかりと取り組む人だ」という印象も与えますし、演出をはじめ周りの俳優陣も「意識高い人だ」という風に絶対に取ってくださいます。

意識が高いと周りから見られると、意図してない動きをした時でも、良い風に捉えてくれる人も増えるようになります。

ただ単に、ぼーっと立っているシーンでも、

「あの時の黄昏ているシーンが特に良かったですね‼」

と予期せぬとことで周りからお褒め頂けるので、それはとっても嬉しいことですよね(笑)

そんなのズルい‼

と思われるかもしれません(笑)

しかし、これは人間関係を自分主導にするための方法なのです。こうして自分の周りの方々を味方につけることは、お客様を味方につける方法とも似てますので、俳優としては必要なスキルでもあるのです。

こういう言葉をお聞きになりませんか?

ハッタリは重要だ‼

と。(笑)

これは他人との争いにおいて、戦わずして勝つ方法の一つと言われればそうだと思います。

本能でしょうか、動物はびっくりすると戦うことよりも逃げますよね。

人間もびっくりするとただあるがままを素直に受け入れるということがあるようで、上記の場合ですと、人が「この人凄い」と一度驚いてしまうとそれからは「凄い人に違いない」という印象がつくのだと思うのです。

ですので、最初苦労をしてあと楽をするという取り組みで稽古に臨めば、稽古の主導権が握りやすくなるので楽しくなりますよ。

他にも、わざと違う演技をして演出のダメ出しをいただき、演出の言われたオーダーを卒なくこなして信頼を勝ち取る強者もおられます(笑)

誰でもそうだと思うのですが、自分の言ったことをしっかりと守って下さる方は好印象を持ちます。

ですので、ダメ出しを貰って、演出の指示通りに動くことが一発で出来れば、

修正能力の高い人

となるわけです。

こういう風な、一見歪んだ信頼の勝ち取り方のようではありますが、信頼関係が何よりも重要だと考えているからこそ行きついた考えなのかもしれないので、その考え自体は思慮深く否定はできません(笑)

と、このように稽古に取り組めばかなりの確率で稽古を楽しく取り組むことができるようになります‼

この方法はちょっとな~と思うかもしれませんね(笑)

はい、実はもっと簡単に稽古を楽しく出来る方法があるのです。

長いフリになってしまい申し訳ございません。

ただ、台詞は出来るだけ早く覚えて驚かせることは、やった方が良いとは思いますが、これだと大変と思われる方は結構おられるかなと思いますので、これを一つ目に稽古楽しくする方法の一つ目にしました。

それではお薦めするもう一つの方法。

これはもっともっととっても簡単です(笑)

それは……

自分の出番出ない時はいち早く稽古を前から見る

ということ。

え?…たったこれだけで良いの?

そう思われる方もおられるでしょう。

でも本当です。

ここでポイントなのは、

出番がもうすぐだとなると大抵の人は少し前から舞台横にスタンバイしますが、そうせずに、

自分の出番のギリギリまで、前から共演者を見てあげるということ。つまり、

自分の芝居の出る心の準備よりも共演者の演技を見守ることを優先する

ということなのです。

こうすることで、共演者の演技の重要感を上げることが実はとても大切なのです。

『私はあなたの芝居をしっかりと観てますよ‼』

こういう意識で前から見てあげてください。そうするとどうなると思いますか?

観られている演技者は手が震えるほどの緊張感を味わうことになるのです。

この‼

緊張感のある稽古の方が実は稽古はとっても楽しいのです。

しかも、間違ったらどうしようという緊張感ではなく、

『前からしっかり見てくれるあなたに良い芝居をお見せしたい‼』

と、相手はがぜん燃えるようになるのです。

あなたが目からしっかりと観る意識を持つだけでこれほどのエネルギーが生まれるのです。

こうして稽古の段階でみんなが注目し、演技者の稽古を注視してあげることでお互いがお互いを重要視しているということを感じるのです。

それはまるで

「出番を待つ一人一人が現在演技をしている人の為に最高のステージを提供している」

かのようなのです。

こうして「頼んだよ」「任せた」というような言葉が聞こえてくるような、取り組みがとてつもない素晴らしいエネルギーを生むのです。

もしあなたがこれを実践すれば……

一人、また一人とあなたのしていることを真似するようになるでしょう。

つまり、いつの間にかあなたの芝居もみんながしっかりと注目して観てくれるようになるのです。

この時に、あなたは初めてこれほど重要な位置にいるんだと感じることになるでしょう。

最後までご覧いただきましてありがとうございました。

劇団道化座に13年間所属し、日本各地、海外公演に数多く出演。道化座退団後はフリーで演出・俳優活動を行う。「社会に寄り添う演劇」を掲げ、2019年に劇団ブルアを設立。同劇団代表を務める。現在の演劇活動として、演出業、俳優業だけではなく、関西各地で演劇のワークショップで演技指導も行う。出演回数は400ステージを超え、実践的な演技指導が持ち味。またスタニスラフスキーシステムを独自にアレンジしたブルアメゾッドを作り、「身体動作から感情を誘発させる」演技術を展開し、リアリティーのある演技を追究。「役の人物を介して自分を表現する」「自己探求」などを念頭に演技向上を図り、ありのままの魅力的な自分で勝負する独特の演技コンセプトが好評を得ております。

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