素敵な会話術と聞くと皆様はどのようなイメージを持たれますでしょうか? おそらく「人の心をつかむ話し方」であったり「説明上手な話し方」であったりと

『話し方』

に焦点を合わせている方は多いのではないかと思います。それはもちろん私もその通りだと思っておりますが、その前にこれがないとダメかなと思うことがあります。それは、

「まずは相手に受け入れてもらうこと」

これがなければいくら上手く話せる人であっても受け入れてもらえなければ、聞いてはいただけないからですね。この話は、以前のブログでもよく書いている内容なので、しつこいと思われる方もおられましょうが(笑) 私の思うコミュニケーションの基本は、

相手に関心を寄せること

と考えております。コミュニケーションで上手くいかない多くの理由は、「相手に受け入れてもらおうとするばかりで相手を受け入れようとしていない」ということではないかと思うのです。相手に受けれてもらおうとする動機は相手に変わってもらおうとする行為にもなりますので、不快感を与えることにも繋がりかねないのです。そうなるとセールス(売り込み)と考えられてしまって、「セールスお断り」になりますよね。ですから、まず自分のお話を相手に聞いていただきたいのであれば、まず相手が受け入れてもらえるような状況になってからにした方が良いのです。

では、相手が受け入れてもらえるような状況を作るにはどうすれば良いかということですが、これはとても簡単なことです。

相手のニーズに応えらえていたら受け入れてもらえる可能性は上がります

確実なことではもちろんありませんが、相手のニーズに応えることのできる人は相手にとって魅力的な人になるのです。そして魅力的な人の話は聞くようになるのですよね。だから、自分が魅力的になれば自分の言うことを聞いてくれる人は自然に増えていくことになります。別に立派な人になろうとかしなくても良いのです。立派な人であっても、好きな人でなければ、その人の話は聞けないものですから、自分の話を聞いてもらうためには、相手のニーズに応えるだけで十分魅力的な人となりえるのですよね。ただ、ひねくれている人であれば、それでも難しいかも知れませんが(笑)

では相手のニーズって何だと思いますか?

「それは人それぞれ違うでしょ」

そう思われる方もいるかもしれません。しかし、相手の話を聞いていると段々と相手が何を求めているのかは分かってきます。ただこれは、相手の話をたくさん引き出すことが必要になりますので、そんなに簡単なことではありませんよね。特に初対面の方であれば、お会いしてすぐに根掘り葉掘り聞かれるのは、ズケズケと相手の領域に土足で入り込んでいるようにお感じなられるのかもしれないので難しいです。

では、どのように相手の話をたくさん引き出さずに相手のニーズを知ることが出来るのでしょうか? ということですが、それが冒頭で申し上げた

相手に関心を寄せる

ということなのです。

世の中の多くの人は自分は受け入れられたいと思って頑張っている人

だから受け入れてあげられる人になれば万人のニーズに応えられやすいのです。しかし、すべてを受け入れることは難しいと思うので、せめて相手に「あなたのことを受け入れようとしてますよ」という態度で臨むと、それが相手には受け入れてくれようと努力しているという気持ちが伝わりますので、それも効果的なのです。その態度が「あなたのことに関心を寄せています」ということなのですね。ただ、実際にコミュニケーションでどのように相手に関心を寄せることが出来るのかということですが、それは、

常に相手の立場でものを話すこと

なのです。例えば、お会いした時でも、お越しいただいてありがとうございますとお礼をするだけではなく、お相手が時間を作ってここまで来て下った経緯を想像して、その仮説の元でお話しすると、自分のことに配慮して下さっていること(関心してもらえていること)がそれだけで伝わるのです。勿論その仮説は合ってても間違ってても良いのです。

「雪の中ご足労願いまして・・・道中大変だったのではないですか?」というようなことを聞いたら、「そうなのですよ。」という人もいれば、「いえ、こちらはそんなに降ってませんでしたのであれでしたけど・・・」というような会話になります。このような何気ない会話ではありますが、相手の立場でものを考えて話すことはとても重要なことですよね。

ここまでは、皆様もご承知のことと思われます。ただ、さらにもう一つ重要なことがありまして、実は相手の立場になって話をするだけではなく、「相手に寄り添って話を聞くこと」もとっても大切なのです。

相手に寄り添う話の聞き方

もしあなたがこの聞き方をされていたのであれば、相手はあなたとの会話をとても心地よく感じることが出来るでしょう。会話の中には、本当は大したことであったはずであろうけど、へりくだる意識から控えめに仰る方は結構多いのですね。だから、大したことないですよと言われていることに、

「いや、それは大したことですよ‼」

と反応してあげられたら良いですよね。「大した事ないです」って言って、「それなら良かったです」みたいな態度で聞かれたら寂しいですよね(笑) でも、意外にそういう風にされる方が多いのです。勿論お気づきになられていないだけなのですが、相手がへりくだって言ってるのにもかかわらず、それを真に受ける人は結構いるのです。こういうことがないようにするために、普段から相手に関心を寄せるという意識さえ持っておけば、

相手のへりくだった言葉もすぐに見つけられるようになる

ですので、これは是非意識しておきたいところですよね。このように、会話の中でもたくさんの情報が飛び交っていて、多くの情報を取れる人の方が相手のニーズに応えられる会話に持って行けることが出来るので、会話術を磨くのであれば、話を聞く力を養った方が実は得策なのです。話す方はシドロモドロでも全然かまわないのです。

かえってその人の人間性が現れて良い

個性を生かすには自分の話し方を変えようとするのではなく進化させようとすればいいのです。今の人、こういう風に話していたな……私もこのようにして話せたら良いな……と自分がしたいなと思う話し方で十分で、こうしなけれればいけない。こうあるべきという話し方は、自分の言葉にならないので相手にはなかなか伝わらないのかもしれませんね。

つまり話し方のコツは、相手に関心を寄せて、相手のニーズに応えて、相手にとっても魅力的な人になる

このことをしっかりとすれば、後は話し方が下手であろうが、自分の話し方で十分個性として見ていただけるようになります。そしてこの個性的な話し方が「相手の心を掴む話し方」になるのです。

さらに!!

それプラス、以前のブログ上手な話の聞き方でも記しました、相手の自己重要感を上げさせる、話の聞き方リアクション方法もお使いいただければ、かなりのコミュニケーションの達人になりますよ(笑)

楽しいコミュニケーションを図っていきましょうね。

最後までご覧いただきましてありがとうございました。

劇団道化座に13年間所属し、日本各地、海外公演に数多く出演。道化座退団後はフリーで演出・俳優活動を行う。「社会に寄り添う演劇」を掲げ、2019年に劇団ブルアを設立。同劇団代表を務める。現在の演劇活動として、演出業、俳優業だけではなく、関西各地で演劇のワークショップで演技指導も行う。出演回数は400ステージを超え、実践的な演技指導が持ち味。またスタニスラフスキーシステムを独自にアレンジしたブルアメゾッドを作り、「身体動作から感情を誘発させる」演技術を展開し、リアリティーのある演技を追究。「役の人物を介して自分を表現する」「自己探求」などを念頭に演技向上を図り、ありのままの魅力的な自分で勝負する独特の演技コンセプトが好評を得ております。

LINEで送る
Pocket
このエントリーを Google ブックマーク に追加
LinkedIn にシェア

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です