
自分を信じることが出来ますか。
これは自分が「如何に、もの凄い人間かを知っていれば」信じることはたやすいのだと思います。
ですから、根本を言うと自分がもの凄い人間だと思うことこそが、自分を信じるうえで最も大切なのではないでしょうか。
ですが、自分がもの凄い人間だとは思えない。
そう思うのは普通のことです。
大体の場合、自分が今までしてきたことの功績や、周りのからの評価で自分は物凄い人間だと認識するので、そういった行動が伴っていなければ、自分を物凄い人間だとは思えないのは自然な考えですよね。
ですが、もしも自分の見方が変われば、この話は少し変わってきます。
例えば、普段の何気ない行動を自分が評価していればどうでしょう?
「毎日、会社に行ってる私はよく考えれば凄いよね!」でも良いです。
当たり前のことだと思っていても、実はもの凄く大変なことをしている自分に気がついてあげること。
これはとても重要なことだと思います。
毎日会社に行くには、毎日同じルーティーンをして、体調管理をしっかりとして行ける準備を整えている。
これって、実はもの凄いことだとも思うのです。
ましてや、会社が嫌な人だったならばなおのことです(笑)
自分の中でよく頑張ったな!偉い!
と労える人になれること。
こういう考えの人が実はもの凄いことをやってのける人なのではないかと私は思うのです。
こんなことは誰でもやってるし全然大したことではないと思うかもしれません。
しかしそう思うことにより、自分は大した人物ではないという行動の暗示をかけているのではないかとも思うのです。
人間は人それぞれ成長するスピードが違います。
ですから人と比べず、自分なりの成長を目指すためには何より、
自分が出来たことにフォーカスする
ことが絶対に大切なのです。
そして、ここからが今回最も言いたかったことなのですが、
自分の成長というのは今の自分の観点からは絶対に生まれない
ということなのです。
成長した時に、今まで何であんなことにこだわっていたのだろう?と気がつくこと。
これが殆どなのです。つまり、
行動することによって自分のものの見方が変わり、改善していくこと
これが成長した時の感覚なのです。
ものの見方が変われば、取り組み方が変わります。
そうすると、結果が変わりやすくなる。
勿論その過程では間違えることもありますが、実はその間違えたところに大きな改善のポイントがあり、それに気がつけるから、ものの見方が変わるといった方が自然な感じがします。
そういう意味では、物事は常に表裏一体と言えるのではないでしょうか。
私たちは技術習得を目指していますが、その技術を修得するために反復練習はどうしても欠かせません。
ですがこの反復練習で変われる人とそうでない人の差が出てくる。
それは何故か?
それは反復練習の目的をどう捉えるかなのです。
反復練習して安心を得ようとする人は進歩しません。
ですが反復練習をして感覚を研ぎ澄ます人は進歩するのです。
これはこういうことも言えます。
安心を得ようとする人は自分を信用できない人で、感覚を研ぎ澄ます人は自分を信じる人であるということ
感覚を研ぎ澄ます人は、自分のやっていることを当たり前だとは思っていない。当然だとは思っていない。
毎回毎回、よくチャレンジして頑張ったことを労うことが出来る。
だけども自分ではどうも納得が出来ない。
だから、「どうすれば納得が出来るのだろう?」というシンプルな疑問に誘うことが出来る。
その結果、何度も練習に励むようになる。
ですが、自分のやっていることが当たり前だ当然だと思っている人は、これくらい反復練習しなければ、得られないのだろうと思っているのかもしれません。
そうなると、技術習得はしなければならないという行動になり、本来の技術習得の目的を見失ってしまうのではないでしょうか。
理性で芝居は出来るものではありません。
それはごく一部の能力でしか勝負しないということに繋がります。
本能も使って技術習得をする
そうするために自分の感覚を研ぎ澄まし、一つひとつの感覚を落とし込む。
そうすると、その一つひとつの落とし込んだものが、自分の中で勝手に繋がって、素晴らしい発想が生まれる。
これが見方が変わるというカラクリなのではないでしょうか。
何れにしても、こういう芸当は、自分を信じることでしか生まれないものだと思います。
私はそこを目指していきたいのですね。

さいとうつかさ
劇団ブルア 代表
劇団道化座に13年間所属し、日本各地、海外公演に数多く出演。道化座退団後はフリーで演出・俳優活動を行う。「社会に寄り添う演劇」を掲げ、2019年に劇団ブルアを設立。同劇団代表を務める。現在の演劇活動として、演出業、俳優業だけではなく、関西各地で演劇のワークショップで演技指導も行う。出演回数は400ステージを超え、実践的な演技指導が持ち味。またスタニスラフスキーシステムを独自にアレンジしたブルアメゾッドを作り、「身体動作から感情を誘発させる」演技術を展開し、リアリティーのある演技を追究。「役の人物を介して自分を表現する」「自己探求」などを念頭に演技向上を図り、ありのままの魅力的な自分で勝負する独特の演技コンセプトが好評を得ております。さらに、自身のBlog『さいとうつかさの演技力会話力Blog』は1500万PVを超え、多くの方々から支持を得ております。