演劇はやってみたいという方は多いです。しかし演劇を観たいという方は少ないです。

これは、お芝居が出来たら十分だというところで止まっていて、観ている側のニーズに十分応えきれていないからの結果だと私は思っています。

言い方を変えますと、舞台を作る側の技術が観る側のお支払いしていただける対価にはなっていないことが言えるんではないでしょうか。

日々、演技の練習をしていても、技術というのはそう簡単に身につくものではなく、若いうちには見につかない演技もたくさんあります。

そのことが分かっていれば、演技というのは自分が思っている以上に奥の深いモノと考えられるのですが、その奥を知ろうとする人は少ないように思います。

何故なら、その奥に踏み入れることが、結構大変でして、地味な作業が殆どで、心の置き方次第では「しなければならないもの」ばかりなのです。

こんなことしてどうなるの⁉

そういうモノを日々練習する。

ここに大事な意味合いを持てる人でないと人よりも光る演技は出来ないと思います。何故なら、そういったモノの積み重ねの上に演技の深さが出るのです。

特に動作練習は地味な作業で、身体に覚え込ますという感覚ではなく、脳に覚え込ます作業になりますので、相当な反復練習を伴います。

しかし、上記のことはおそらく誰もが分かっていることではないでしょうか。どんな仕事でも皆様は身体に馴染ませておられると思います。

でも演劇の世界では中々そうはなりません。この理由は簡単で、手に職をつけるものは大抵、見習い期間であってもお金をいただけていますが、演劇ではそういうことはないからです。

殆どの方が下積み期間は違う仕事をして、それから演劇の練習をしているのです。つまり演劇は仕事という感覚ではなれず、プロフェッショナルな考え方はなかなか難しいのですね。

お金をいただいてその対価を支払うという行動でなければどうしても、演技術の甘さは出てきます。そこを乗り越えられる方は当然素晴らしいのですが、殆どの方は夢半ばで諦めてしまうのが現実ではないでしょうか。

そして、さらに言いますと、先ほど「演技術の甘さが出てくる」と申し上げましたが、これが一番の問題だと私は思っていまして、今舞台に上がられている方の中には、演技というのがあまりよく分かっておられない人も相当多く見受けられ、これが上記で申し上げた「舞台を作る側の技術が観る側のお支払いしていただける対価にはなっていない」問題だと思っております。

これは私にとっても一番大きな課題で、大きな壁でもあります。日々演技練習を重ねていますが、それでもこの問題は非常に難しいところがあるのです。

前置きが長くなりました。いよいよここからが今回のお話しになります。この話は出来るだけ早く知っておいたほうが良い内容ですので、最後までお付き合い願えればと思います。では、次のページへ。

LINEで送る
Pocket
このエントリーを Google ブックマーク に追加
LinkedIn にシェア

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です