俳優: さいとうつかさ が「俳優養成講座」や「コミュニケーション教室」でお教えしている内容をブログでご紹介。『演劇の魅力をより多くの方々に』というコンセプトで、俳優の演技法だけではなく、プライベートやビジネスといった様々なシーンの会話でも使えるコミュニケーションスキルとその練習方法など有益な情報を公開しています。
さいとうつかさ
劇団ブルア 代表
劇団道化座に13年間所属し、日本各地、海外公演に数多く出演。道化座退団後はフリーで演出・俳優活動を行う。「社会に寄り添う演劇」を掲げ、2019年に劇団ブルアを設立。同劇団代表を務める。現在の演劇活動として、演出業、俳優業だけではなく、関西各地で演劇のワークショップで演技指導も行う。出演回数は400ステージを超え、実践的な演技指導が持ち味。またスタニスラフスキーシステムを独自にアレンジしたブルアメゾッドを作り、「身体動作から感情を誘発させる」演技術を展開し、リアリティーのある演技を追究。「役の人物を介して自分を表現する」「自己探求」などを念頭に演技向上を図り、ありのままの魅力的な自分で勝負する独特の演技コンセプトが好評を得ております。
【心が伝わる】表現力・会話力を高めるブログ 目次 |
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俳優のコミュニケーションとは |
演劇を本格的にやってみたいあなたへ |
演技者は舞台からお客さんとコミュニケーションを図っています。
一方的に伝えているように見える演技ですが、実は違うのです。
お客さんに伝わりやすいように
常にお客さんの声を聞いているのです。
これはいったいどういうことかというと、
お客さんは静かに私たちの作品を観ていますが、どういう風に見ておられるのかを感覚で常にチェックしてその場に合わせた冷静な演技をしているのです。
「何も話さないから分かりようがないじゃない」
そう思われるかもしれませんが、そんなことはありません。
私たちはお客さんが今どういう感じで見ておられるかを感覚として捉えることが出来ます。
「そんなことが本当に出来るの?」と思われるかもしれませんが、
実は、私たちの普段の会話でもこれと同じようなことを全員がしているのです。
それは、
相手が話す言葉の理解は、話をしている内容よりも、無意識に感じ取る「感覚」の方に大きく影響されて判断しているということ。
つまりこの「感覚」こそがコミュニケーションにおいてとても重要な役割を果たしているというわけです。
私たち俳優はその「感覚」を大切にした受信力で、お客さんのニーズを伺って、それに応じた最適な演技を出力しているのです。
お客さんが無意識に表している情報を意識して受け取り、その状況にあったコミュニケーションを図っているというわけです。
このアンテナを立てたような感覚で受け取る『受信スキル』を身につければ、普段の会話でも相手がどういう風に考えているかが見えてくるのです。
そして、相手の会話が見えてくると、
まるで会話が
後出しジャンケン
のようになり、
コミュニケーションをコントロールしやすくできる素晴らしいスキルが身につくというわけなのです。
そのような俳優が使っている感覚を大切にした受信スキルと、より正確に伝えることが出来る送信スキルを出来るだけ多くの方に共有したいという想いから本ブログを始めてみました。
このスキルを身につけてより良いコミュニケーションを楽しんでしていただければ大変嬉しく思います。
そして、このブログでたくさんの方々から共感いただけて、演劇の魅力が少しでも伝われば、演劇に関心を寄せる方が増えると願い、これから俳優の技術を惜しみなく発信させていただきたく思っております。
普通のコミュニケーションのノウハウではなく、かなり変わった視点でのコミュニケーションスキルだと思います。しかしながら自分の魅力を最大限に出力するプロの表現技術ですので、自信をもってお届けします。
具体的にどういう内容かと申しますと、
まず、
私たちのコミュニケーションスキルの身につけ方はとってもシンプルです。
『自分を変えようとする』手法は一切採りません。
私たちの出発点は、
『全員が一人一人魅力的』
だと確信していますので、
『如何に自分らしさを出すのか?』
というところからお話しさせていただきます。
ですので、
よく使う言葉は
『ありのままで』
という言葉が多いです。
自分を変えようとするのではなく
まだ見ぬ自分に出会ってもらいたいのです。
そのようにこのブログをご覧いただけると
大変嬉しく幸いに存じます。
昨今の演劇は非常にマイナーな活動と言えます。
それだけ、多くの方はお芝居に関心がない状況だと思います。
この原因を作ったのは私たちの演劇を作る側の問題で、やはり面白いコンテンツとして提供できていないのが言えるのだと思います。
もちろん、価値のあるものを提供されている団体もありますが、そういうところは本当に少ないのが現状だと思います。
そういう現状をもちろん打破していくのは当然ではありますが、
私にはそれよりも残念だなと思うことがあります。
それは、
演劇をしている方々も、実は自分たち俳優がどれだけ素晴らしいことをしているかが、あまりよく理解されていない方が多いのではないかということです。
その理由は、
『俳優では食べていけない』
というもの。
デフォルトでそう思うということは、俳優にお金を払う価値などないと思っているということで、これは私たち俳優にとって非常に残念なモノの見方だと思ってしまうのです。
俳優には素晴らしい価値があると思って、俳優業に取り組んでいただきたい。
俳優業が素晴らしいと思っている人が増えれば、きっと演劇の世界は良くなると思っています。
そういう仲間をたくさん増やすためにも、俳優の技術を出来るだけ多く発信して、賛同いただけることが出来たら、とても嬉しく思います。
俳優のコミュニケーションスキルを共に身につけてみませんか。
演劇をこれから始めようとする方には、演技の魅力についてもたくさんお話しさせていただきたく思っております。
素敵な俳優になれるように少しでもお力になれたら…
そのような願いを込めて、これからブログを発信してまいります。
最後までご覧下さいましてありがとうございました。