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芝居くさい人は、役者の動機が見えている人です。

演者は、役者の動機と役の人物の動機の二つを持ち合わせている。本来は役の人物の動機を表現しなければいけないのですが、どうしても役者の動機が出てくる人がいる。

例えば、自分のセリフが5行あったとします。するとその5行の構成で話す人がいる。これは本当に可笑しなことで、最初から5行を話すといういうことを決めた話し方をしてしまっているのです。ですが、話す前から5行で話そうなんて考えている人なんていますでしょうか。

これは、先の分かった芝居で、そういうセリフ回しは、お客様に展開が読まれやすくなるので、待ちの状態を作ってしまうことになる。すると、そのお芝居は長く感じるのです。

また、こういう人もいます。ここは言葉を立てて話そうであったり、ここは強調して話すであったりと、話し方を決めている人がいる。こういう人は表現しなければ、お客様に理解してもらえないと思って、そう表現しているのかと思いますが、これも役者の動機がありありと見えて、わざとらしく見えてしまう。

また、感情を出している人。これも役者の動機です。役の人物の感情が自然と湧き起こらないから、出すしかなくなっているのです。リアルで、感情を出している人はいません。感情というものは湧き起るもの。

ですから表現するなら自然に湧き起こるシステムを自分の中で作っておかなければならない。その上で、その感情を必死に抑える役の人物の動機を表現するのが本来のやるべきことなのです。

演技は感情を表現するものと考えているならば、それは大きな間違いで、本当の演技は「人の心を動かす技術」なのだということをまず知ることが肝心です。

そもそも、自分の心が動いていたならば、表現しようというよこしまな考えは出ません。感情は自然と湧き起こりますし、話し方に色を付けることもありません。色々とやろうとする理由はただ一つ。自分の心が動いていないからなのです。

自分の心が動かなければ、人の心も動きません。波動の低い世界を生きることになるので、時間の流れがゆっくりになり、退屈な時間となるでしょう。一方、自分の心が動けば、波動の高い世界となり、時間の流れがとても速く感じることになる。楽しい時間はあっという間って言いますよね。つまり、自分の心を動かした方が断然面白いのです。

ではどうしたら自分の心が動くのか?

それは、人の心を動かす技術。つまり本当の演技を駆使すれば、自分の心は動くのです。

この演技法は実は100年ほど前からあるのです。ですが、今ではそれを知らない人が多い。何故なら、演技というのは表現する技術だと思ってしまっているからです。

人の心を動かす技術とは、観客の心を動かす技術でもあり、共演者や裏方の心を動かす技術でもあり、自分の心を動かす技術でもあるのです。

そして、この自分の心を動かす技術というのが実は一番難しく、何故なら、殆どの人が受動的になっているからです。

お客様に笑ってもらえなければ、私たちの芸が面白くないという考え方。違うでしょ。自分たちの芸が面白いからこそお客様に笑ってもらえる。本来はこういう流れなのです。

もしも、お客様に喜んでいただけなければ、私たち役者も喜べないという考えだったならば、お金を払ってお客様に観に来てもらうべきです。そういう本末転倒な考え方はもうやめて、自分発信で、世界を変えることをしてみませんか。そういう人に本当の価値が見出せるのです。

自分の心が動けば世界も変わる。演技はそういうことが出来る技術だということをもっともっと当事者である役者に知っていただきたいのです。

演技者って実はもの凄いことをしているのです。自分の心が動いていないから芝居くさくなる。自分の心の動かす演技法を修得してみませんか。

自分心を動かす技術、身体動作から感情を誘発させる演技法は、誰もが実際に経験すると驚く技術なのです。驚くほど心が動くのです。これは楽しいのです。

そういう実証性のある演技を手に入れないと、いつまで経っても、波動の高いところには辿り着けません。もしも稽古が楽しくなければ、波動の低いところでただ同じことを繰り返しているだけかもしれません。毎回心が動けば、本当は楽しいのですが。波動の低いこところでは、分かりえない道理かもしれません。